2013-12-28

2013.8.28(水)日本外国特派員協会『泉田裕彦知事記者会見』



かなり前ですが、8/28(水)に日本外国特派員協会で開催された泉田知事の記者会見を
文字にしておきます。
外国人記者からの質問については、在米の友達に少しだけ訳して貰いましたが、
質問内容をそのまま文字に出来ていないのでご了承ください。
(聞き間違い等ご指摘願います。また、訳して頂ける方がいらっしゃったらお願いします)

動画は
20130828 泉田裕彦・新潟県知事記者会見 ~日本外国特派員協会
泉田新潟県知事8/28 外国特派員協会QA


泉田知事:
皆さん、こんにちは。
今日はこのようなプレゼンテーションの機会を与えて頂きまして、大変感謝を致しております。
私は2007年のですね、中越沖地震で、柏崎刈羽原子力発電所が被災をした時のですね、
実際の対策を取りましたし、その後のですね、改善策についてもですね、関わった経験を持っています。
今回、東日本大震災と同時に発生した福島事故については、この2007年の対応に比べて、
極めて問題が多い、課題を積み残したままの状態で進もうとしている事に懸念を持っています。
2007年の時は問題点を抽出して、それに対する対策を取って、
そして次に進むという事をやりましたが、
今回は、このプロセスが殆ど省略されていると言っても良い状況です。
幾つか例示をさせて頂きたいと思います。パワーポイントチェンジお願いします。

中越沖地震の時新潟県庁と原発サイトの間にはホットラインがありましたけども、
これが機能しませんでした
仕方がないんで、私は東電の本社を経由して、このプラントとの間のコミュニケーションを取りました。
このホットラインが機能しないのは困るという事がありましたので、
規制基準にはありませんでしたけども、ホットラインの部屋に、
地震で歪んで入れなくなるなんていうのは困るので、ちゃんとした対応をするように求めました
東電も国もですね、我々の要求に答えて作ってくれたのが免震重要棟です。
この新潟県にだけに免震重要棟があるっていうのは変だよねと。
TEPCOは福島でも、NUCLEAR PLANTのオペレーションをしていますので、
新潟に作ったんだったら、福島にも作らないといけないよねと言って
出来たのが事故の半年前です。
もし、2007年の新潟の地震でいい加減な対応をしていたら、
福島のプラントには、免震重要棟はありませんでした。
もし、福島に免震重要棟がなければ、今東京に人は住んでいないと思いますし、
この東京で、皆さん方に私がプレゼンテーションする事もなかったと思います。

次のスライドお願いします。

実は2007年の柏崎の火事の事故においては、自衛消防隊には消防車がありませんでした
地震のあとですね、消火栓が折れてしまって水が出なくなりました。
東電の自衛消防隊員は、全部避難しましたので、世界に向かって、
誰も居ない原子力発電所から火事が起きている映像が配信されてしまいました。
今回、福島でですね、消防注水をする時に、何故福島の発電所に消防車があったかといえば、
この新潟での地震の経験を踏まえて、消防隊を組織し消防車を配置する事を求めて、
当時は、政府と東電がそれに答えてくれたからです。
ここでですね、火事がどのように起きたかっていうのを説明をしてみたいと思いますので、
スライドのですね、9ページちょっと出して貰えますか。
これが、柏崎刈羽原子力発電所の火事の当時の写真です。

スライド二つ戻して下さい。

これがですね、地震直後の柏崎刈羽の構内で、これ一番酷いとこじゃないです。
もう構内中こういう状況になりました。
次のスライドお願いします。

土が付いているところからですね、地面が下がっていると思いますが、
中越沖地震では、建屋の周りが一番激しい所で1.5m沈下をしました。
その結果ですね、トランスがですね、配管が外れてしまうっていう事故が起きました。
11ページ開けてみて下さい。

この中にですね、トランスと繋ぐパイプが外れた為にですね、電線のショートによって
火事になったという事になっています。
2007年のですね、地震のあと再稼働をする時に、この地盤の強化という事も、地盤、基礎とですね、
建屋の一体化をする事によって、パイプの破断を防ぐ対策を取りました。
3ページ開けて下さい。

この対応もですね、政府の規制によってやったわけではなくて、
地震の経験を踏まえて取られた措置です。
現在ですね、政府の安全規制を担うのが原子力規制委員会という事になりますけども、
この原子力規制委員会は、立地自治体からの意見、知事会からの意見について、
全く耳を貸さない状態になっています。
そもそもですね、原子力規制委員会は、いざ事故が起きた時の対策を取る事の出来る機能を
持っていますが、この原災法に基づくですね、住民避難の責任を負う自治体行政が
分かる委員が一人も入っていません。
原子力発電所の安全ていうのは、原子力発電所の性能だけではなくって、
その組織をどういうふうに運営するのか、法規制はどうするのか、
周りからのサポートをどうするのかっていう事がなければ、安全は確保出来ないと思っています。
原子力規制委員会はですね、原発の性能基準の審査のみを任務にして、
自らの役割を狭めようとしているように見えます。
4ページお願いします。
スライドご覧頂きたいんですが、原子力規制委員会の設置法
赤線が引いてるところをご覧頂きたいと思います。
原子力規制委員会には、原子力利用に関する安全の確保に関する事というのが
最初に、その任務に挙げられています。
そして、その第二項においてですね、原子力利用における安全の確保に関する事項について
勧告するという権限も持っています。
次のスライドお願いします。

これはですね、原子力規制委員会からの回答を纏めたもので、
ちょっと特徴的なところを幾つかご説明したいと思います。
上から2番目なんですけども、炉規法に定める規制基準だけではなくてですね、
事故が起きた場合に、オフサイトがどう対応すべきか。
それから、労働規制を超える被曝をする際にどうするのかと、
こういう原子力法制度について、整備をして欲しいという質問をしたところですね、
右側の回答を見て頂くと分かるんですが、「新規制規準に関係ない」と言って対応してくれません。
上から5段目をご覧ください。
この原子炉が危険な状況になった時に、限られた時間の中で重大判断をする時に、
誰が責任を持って判断をするのか、このNRAなのか、国なのか、原子力安全所長なのか、社長なのか。
こういった手順を明らかにして欲しいというお願いをしたところですね、
これも「規制規準と関係ない」という返事でした。
更に、3月の田中委員長の記者会見で、
いざという時に住民避難に責任を持つ立地自治体からの質問に対して、
いちいち答える責任は、義務はない」という回答を田中委員長はしています。
これは、NRAが経済産業省の事業者行政をやっていた保安院の時の、原子力安全保安院の時の
経験を引きずっているからではないかというふうに想像できます。
私自身、経済産業省でニ度、資源エネルギー庁に勤務しました。
そしてですね、経産省の職員ていうのは、若い頃から事業者行政はするんですが、
自治体とか、住民と向きある機会がないっていう事は、肌身に感じて分かっております。
住民の安全を守るという使命感を持たない組織が、安全を確保するっていうのは、
困難ではないかと危惧しています。

スライドの6ページお願いします。
これは、福島第一原発事故のあとの懸念なんですけども、
現在、フィルタベントの工事を東京電力が進めています。
先ほどお話した通り、建屋と、この付属の施設を離すとですね、配管が外れる危険があります。
フィルタベントが地震で外れるとですね、生の放射能が出て来るのではないかと心配をしています。
12ページ、スライドをお願いします。
中越沖地震の経験があるにも拘わらず、また県から何度要請をしてもですね、
東京電力は、一回も先にですね、フィルタベントの基礎を作ってしまったせいか、
この原子炉建屋と離れた所に作った物をもう一度一体化させるという事を拒否し続けています。
これはですね、汚染水の問題が福島原発事故直後から指摘されていたにも拘わらず、
現在まで放置されてきたと同じ背景があるように感じられます。
先日ですね、廣瀬東電社長と会談をした時に、
「何故自治体と相談して安全性を高めないのか」と、問うた時にですね、
これは経営問題である」という答えが返ってきました。
廣瀬社長の頭の9割は、福島の賠償と資金調達という話も聞いていますけども、
こういった企業に安全な原子力発電所が運営出来るのか、少し疑問に感じています。
目先のお金を優先してですね、安全対策を怠って、自らの首を絞めるという事が続くようであれば、
これはですね、一旦破綻処理をするというのも選択肢の一つではないかと感じ始めています。

13ページのスライドをお願いします。
フィルタベントについてなんですけども、
これは、規制委員会でですね、設置が義務付けられていますが、
ヨーロッパでは同じ方式を取ってますけども、
アメリカではですね、必ずしも義務付けられていません。
理由はですね、一つ原子力発電所の安全を確保する為には、止める、冷やす、閉じ込める、
これをやれば良いわけです。
この三つで安全性が確保出来ますので、放射能を飛散させないようにクーリングをすれば、
このフィルタベントが、必須設備にはなっていないという背景があると聞いています。
実際、米国ではですね、あの2001年の同時多発テロのあとですね、
航空機テロが原発に対して行われた場合の検討が行われたと承知をしています。
この時NRCが出した結論は、B.5.bというですね、全米どこでテロがあっても、
二時間以内に軍が駆けつけて、冷却をするという仕組みを作り上げる事だったと
いうふうに理解しています。
日本ではですね、このいざっていう時、クールダウンする仕組みも
制度も人も居ないという事になっています。
そして、アメリカでですね、フィルタベントを義務付けなかった理由のもう一つが、
住民からの被曝のリスクによる反対があったとも聞いています。

新潟県ではですね、避難訓練、原子力災害を想定した避難訓練を実施しました。
即時避難区域、半径5kmなんですけども、柏崎刈羽原発の周りには約2万人の人が住んでいます。
僅か400人が参加しただけの避難訓練で、大渋滞が発生をして、円滑な避難が出来ませんでした。
実際ですね、福島原発の事故では、福島市の方向に避難している途中、車の中でですね、
大変大勢の人が被曝をする結果になったと承知をしています。
規制規準をですね、クリアすれば良いというものではなくて、
やはり、住民の被爆をどのように避けるかという観点の検討が必要だと考えています。

次に14ページのスライドお願いします。
日本ではですね、これまで政府は、原子力事故は起きないという説明をしてきました。
規制委員会ではこれを反省して、一定の確率で事故が起きるという前提に立っています。
それ自体は良い事なんですけども、一定の確率で事故が起きる基準、
これはあくまでも規制基準であって、安全基準にはなっていないという事であります。
つまり、過酷事故が起きた際に、事故をどう収束させるかという仕組みを持たずに、
一定の確率で、事故が起きるという事で責任が回避されれば、
そこで起きた損害は、全て立地地域の住民に負担として、のし掛かる事になります。
実際、福島からですね、大勢の人が新潟に今避難して来られています。
しかしながらですね、公共事業によって、住宅を取り壊されるとか、
それから、船が壊れるとか色々あった場合に、補償をして貰える金額とは比べものにならない、
少額でしか賠償金を貰っていません
結局、多くの新潟県民には、事故は起きるものであり、
事故が起きたら、その責任は、国も企業も取らずに、
結局しわ寄せを全部住民に向けるのねというふうにしか見えていません。

福島事故のですね、原因は何かと問うた時にですね、津波事故とか、電源喪失事故っていう事で、
終わらせようとする風潮が大変強い事も懸念しています。
福島原発事故の本質は、冷却材喪失事故です。
津波もですね、電源喪失もきっかけに過ぎません。
実際ですね、例幾つか書いてありますが、この津波でなくてもですね、
冷却材を喪失する可能性っていうのはあるわけです。
先ほど申し上げたテロの可能性もありますし、ロシアを通過した隕石を見ると、直撃しなくっても、
建屋が壊れる可能性もあると思ってます。

更に説明がないところで困っているんですが、規制規準に適合すると、
冷却材喪失事故が起きても、放射能の大量放出が防げるのか、いう説明がありません。
例えばですね、福島事故で最大の放射能を放出源となったのは、2号機です。
何故2号機でですね、最も放射能を放出したかというと、格納容器が壊れたからです。
では何故、格納容器が壊れたのかというと、ベントが失敗したからです。
何故ベントが出来なかったのかというところを原因として、解明をして
そして、対策を取らなければ、また同じ事が起きるんではないかと懸念しています。
ベントが出来ない理由は、技術的な問題のほかに社会的な制約もあり得ます。
1号機がですね、津波から24時間で何故爆発したのかという点です。
ベントをして圧力を下げて、冷却をすれば爆発には至らないはずです。
3月11日に津波がありましたが、3月12日の午前1時、未明ですね。
午前1時の官房長官の会見まで、政府がTEPCOに対して、ベントを止めていたという事実があります。
何故止めたかといいますと、ベントをすると放射性物質が飛び散りますので、
住民避難の確認をしないといけなかったからです。
でも運転員なら、誰でも知っている話なんですが、冷却材を喪失すると
最短二時間でメルトダウンが起きます。
即ちですね、3月11日の夕方の5時の段階までに、手を打つ必要があったはずです。
実際、午後5時の段階、3月11日に、これ吉田所長からですね、消防注水の指示が出ています。
そしてですね、この時に進展予測もされていまして、東電の中では、あと一時間、
即ち6時過ぎにはメルトダウンが始まるという進展予測が既に出されていました
しかしながらですね、このメルトダウンが明らかにされるのは、二カ月掛かりました
つまりですね、TEPCOは嘘を吐く企業であるという事であります。
そしてですね、現在に至るも誰の指示で嘘を吐いたのかという説明もしません

これは、もう数年経たないと結果は出ないかもしれませんが、原発事故以降ですね、
新潟県で甲状腺癌が確認されたお子さんは一人だけです。
福島では、既に18人癌が確定し、更に25~6人のですね、極めて濃厚な疑い事例が報告されています。
新潟県も専門家にですね、評価をお願いをしていますが、
当初はですね、原発事故の影響かどうか判断出来ないという評価だったのが、
今は、原発事故の影響を否定出来ないという評価というふうに聞いています。

そのほかもですね、使用済核燃料をどうするのか
ヨウ素剤の服用の副作用をどうするのか、さまざまな問題を残しています。
また、日本ではですね、所管する役所によって、自然災害を所管する役所と、
原子力災害を所管する役所が違っています。
16ページお願いします。
この為ですね、原子力災害と自然災害が別法体系になって、別の事務局が行なうという事になります。
結果としてですね、原子力事故の避難指示は総理が出し、自然災害は市町村長が出す事になります。
この為、統一的な避難行動が取れなかったという事であります。

次、17ページお願いします。
もう質問の時間取りたいんで、これでやめますが、検証すべき事項を並べてありますので、
こういった事を本来は検証した上で、NRAが説明すべきたと思っています。
廣瀬社長がですね、汚染水が確認をされた日、即ち参議院選挙の翌日に喋られた言葉が
印象的で忘れられません。
廣瀬社長はですね、汚染水の公表遅れに対して、その理由を尋ねられて、
3.11の教訓が学べなかった」という事をお話しています。
過去の経験に学べない企業が、原子力のオペレーションが出来るのか不安でなりません。
どうもご清聴有難うございました。

─質疑応答

外国人記者:
柏崎刈羽原子力発電所の再開には反対でないかどうかっていう事について、
ちょっと確認したいんですが。

泉田知事:現状においてですね、まず検証と総括をして、その上で判断すべきだと考えています。

外国人記者:反対ではないと?

泉田知事:
今ほど申し上げた通り、まずですね、事故の検証と総括をした上で議論すべき事だと思っています。

外国人記者:何故、敢えて今日記者会見を開いたのか。国内では支持を得られないからですか。

泉田知事:
まずですね、柏崎市と刈羽村の状況をご説明をしたいと思います。
柏崎市はですね、規制基準の適合申請をする事は認めるという事ですが、
再稼働議論は、別の話という事を主張しています。
刈羽村はですね、村長は安全が確認されれば再開すべきであると言っています。
市・町共、今の段階で動かしてくれという事は言っていません。
今日ここで語っているのはですね、お話をして欲しいと要請があったものに答えたものです。

外国人記者:
国内での世論では、再稼動に関しては賛成50%、反対50%だが、
県内の世論では、県全体で再稼働反対が70%、賛成が30%というふうに仰ったんですけど、
それで宜しいですか。

泉田知事:
この根拠をっていう事を言われると、根拠をですね、お示しは致しませんが、
概ねそのような感覚で捉えて貰っても、大丈夫な状況だと思ってます。

外国人記者:
東電、原発の所有権は誰にあるのか。
再稼動前に東電は国有化されるべきでしょうか。
柏崎刈羽の再稼働に関しては、もし国有化されれば、その影響はあるでしょうか。

泉田知事:
事実関係で言いますと、現在のTEPCOの株のですね、50%以上既に国が持っていますので、
国有化されてるという事だと思います。
ただですね、社長の頭の中の9割がですね、賠償と資金調達という状況で、
安全運転出来るかについては、やはり心配が残ります。
したがいまして、やはり安全運転と健全経営が出来きるような体制を作る為に、
破綻処理を一度するというのも選択肢のように考え始めています。

外国人記者:
甘利大臣との話し合いについて教えて下さい。
甘利大臣はどういうふうな反論をされていたか、
また、それに対しましてどのように知事は対応されたんでしょうか。

泉田知事:
甘利大臣にはですね、今日皆さんにお話したような懸念事項をお伝えをしました。
実は甘利大臣ですね、この2007年の中越沖地震が起きた時の経産大臣でおられます。
したがいまして、私がオーダーした時に、それをアクセプトしてくれたのが甘利大臣です。
したがいまして、甘利大臣とお話をした時に、私が何を懸念してるかっていう事については、
かなりご理解頂けたと思ってます。
しかしながらですね、時間がなくてですね、秘書官が来られて「大臣、閣議、閣議」という事で、
引っ張られてしまいましたんで、やり取りっていうのは十分出来ずに終わった会談でした。
そして、甘利大臣自身、現在この原発政策の責任者でありません。
私の懸念はですね、伝えたいというお話も頂きました。
したがいまして、私は本来の責任者である原子力規制委員会と十分な議論をしたいと思っています。

外国人記者:再稼働に関しまして、最終責任はどこが持っているのか。

泉田知事:それがですね、不明なのが今の日本の状態なんじゃないんでしょうか。

外国人記者:それで終わりですか。

泉田知事:
終わりです。
あっ、じゃあもう少し言いましょうか。
一応ですね、安全性の確保はNRAという事になっています。
一方ですね、自治体に誰が説明するんですかっていうのは、決まっていないと理解してます。
また、茂木経済産業大臣がですね、責任を負うという事だと仮定をすると、
原発推進大臣が安全性を説明する事になって、これはおかしな事だと思ってます。
原発推進官庁が来てですね、安全性を語ったら、住民はですね、安心、納得は、
得られないんではないかと思います。
これは、住民の安全を守るっていう意味では、中央防災会議という組織もあって、
事務局が内閣府が担当しています。

通訳:中央?

泉田知事:
中央防災会議。
これはですね、古屋防災大臣が担当です。
ただ、この内閣府が原発を説明するのは、恐らく能力がないと思います
ですから本来は、先ほど申し上げた通りNRAがですね、説明責任を負うべきなんだと思います。
しかしながらですね、この説明責任を負うNRAが作られた背景っていうのは、
政治がですね、事故にあまり介入しないようにという背景があって作られていますんで、
逆に政治責任を負う大臣が誰なのかが曖昧になっています。
形式的にはですね、環境省にNRAは設置されていますけども、独立性の高い三条委員会になってます。

外国人記者:
柏崎刈羽原発が安全という結論が出たとして、知事がその結果に納得しない場合、
県知事として、そういうような再稼働をブロックする権限はお持ちでしょうか

泉田知事:
無論、権限っていう事でいうとですね、今知事には権限はありません
これはTEPCOとの間で安全協定があるのみです。
したがってですね、社会的信頼をTEPCOが得れるかどうかっていうのが極めて重要ではないでしょうか。
新潟県には、原子力の専門家を集めた技術委員会を持っています。
これは私が就任する前からありました。
何故このような組織が出来たかといいますと、国とTEPCOがトラブルを隠す、情報を隠す
嘘を吐くという経験を住民がしたからです。
したがってですね、県でしっかりチェックするという合意があって、
私が就任する前から技術委員会が存在をし、地元自治体との合意がなければ
先に進まないという慣習が出来ているという事です。

外国人記者:
しかし、官僚がそのような現場の県の知事をバイパスする事が出来るっていうのは、
非常に不思議に思えるんですが。

泉田知事:日本の制度はそういう制度になってます。

外国人記者:
経済産業大臣が福島原発を訪れました。
除染に関して知事が大きな役割を担うと発言されたが、これに関してどう考えますか。
そして今回は、TEPCOの廣瀬社長とお会いする計画はありますか。

泉田知事:汚染水ですかね。

外国人記者:そうです。

泉田知事:
汚染水に政府が関わってですね、結果が出れば政府とTEPCOに対する信頼は上がると思います。
やはり、関わるという事だけではなくて、実際に水が止められるのか。
そして住民がですね、抱えている苦しみが下がるのかというところが重要だと思います。
廣瀬社長との面談はですね、技術的なところ、どの項目について最後、最終決断するのかと、
整理が付けば無論お会いします。
今でも事務当局同士の接触が続いています。

外国人記者:NRAの田中さんが知事と会見する事に意義がないとコメントしましたが、どう思われますか。

泉田知事:
NRAにですね、確認したい事があります。
先ほどNRAの設置法をお見せしました。
つまり、住民を守る為の対応をNRAは、権限として持っているわけですけども、
それを活用してですね、安全性を高める努力をする気があるかどうかを確認したいと思っています。
また、福島事故のですね、本質、冷却材喪失事故っていうものを今回の基準でですね、
防げるものかどうか、即ち検証と総括なくして、何故基準が作れたかというところは、
説明して頂きたいと思っています。
したがって、一度返事が来たんですけども、殆ど理由にならない理由でですね、説明出来ていないと。
役に立たないんではなくて、私から見ると、説明出来ないんで、
会いたくないっていうふうにしか見えません。

外国人記者:
田中さん、〓?〓の人たちとの間の関係というものは、
いわば冷戦状態のようなものであるといって良いでしょうか。

泉田知事:
これはですね、先ほど見て頂いた通り、実は基準を作る段階から住民の安全を確保する為に、
必要な項目をお願いしてたわけですけども、無視して作られたっていう経緯がありますので、
やはり、あまり信頼関係が築けてる状況ではないと思います。
そしてまた、基準自身もですね、住民の懸念に答えられるものになっていないと思っています。
別な言葉で言うとですね、仮に私がOKするとどうなるかっていうと、説明責任を私が負います。
穴だらけで、とても住民に説明する自信はありません

外国人記者:
県議会には、再稼動をするかどうかの大きな決定権があるのではないか。
福島にも柏崎にも原子炉が数基建設されている。
ドイツでは2基以上の建設は許されていない。
東電が再稼働した場合には、何基の原子炉が再稼動されるんでしょうか。

泉田知事:
まずですね、2007年の時の経験でいいますと、
日本の地方議会には、地方自治法で議決すべき対象が限定をされていますので、
この再開問題については、それに該当しないという事で、議会の議決を求める機会は作れませんでした。
したがいまして、先ほどご説明した通り、新潟県と原子力行政の関わりは、
電力会社との間にある安全協定だけになります。
したがって、執行機関、協定の当事者が最終的に態度を表明する仕組みになっています。
原子炉の数についてご質問がありました。
反対の事を言われる方も居ます。
数が多ければ多いほどですね、最後に電源が生き残る可能性が高いと言われる方も居ます。
したがって、どちらがより安全なのかについては、収束していないと理解をしています。
いずれにしてもですね、再稼働について議論をする為には、
やはりあの、福島で何があって、どういう対策を取ったからどうですという事が
議論されたあとという事だと思います。

外国人記者:再稼働に関しましては、決定権はないという事で宜しいんですか。

泉田知事:2007年の時は議会ともやり取りしましたが、議決を求める場ではないという事が結論でした。

外国人記者:
前の質問にもありましたが、柏崎刈羽には7基の原子炉があり、その内2基は高度な高速炉です。
この2基の設置場所について、1985年に分かった構造問題を東電は解決していません。 
原子炉、特にこの2基は安全だと思いますか。
安全運転を行う為には、何を優先させるべきでしょうか。
優先義務を満たす為の利益というものは得ていないわけですか。

泉田知事:
これはですね、まず、日本で事故のですね、調査報告を纏めた報告書が、
負おうところ四つあるわけですけども、これを総括をして説明する事が必要だと思います。
多くの人と組織が関わり、最先端の技術を使う物には原発のほかに、宇宙開発があります。
米国のスペースシャトルでは、チャレンジャー号が爆発事故を起こし、
コロンビア号が空中分解事故を起こしました。
何故その事故にも拘らず前に進めたかといえば、その原因を明らかにし、対策を取ったからです。
チャレンジャー号では、Oリングの問題を解決し、組織の改善が行われました。
そして、コロンビア号の空中分解事故においては、この断熱材が羽に穴を空ける事を突き止め、
この損傷がないかどうかをチェックする仕組みを入れて再開しました。
ですから、この原発事故でも冷却材喪失事故が起きた時、どう対応するかという事を
ちゃんと国民に明らかにすべきだと思っています。
NRAの仕事の出来というのが大きく影響するんじゃないんでしょうか。

外国人記者:
知事の一般論は分かりました。 
柏崎刈羽原発は新しい原子炉ですし、福島第一原発に比べ安全だと考えますか。
何か、それぞれの原子炉の種類に応じて、安全上の別の懸念というのが存在してるんでしょうか。

泉田知事:
これ、東電の分析、TEPCOの分析ですと、マークⅠとマークⅡについては、
大きな違いはないっていうふうに分析してると理解しています。
ご指摘のですね、柏崎刈羽についてはマークⅡです。
したがいましてですね、この性能のみっていう事ではなくって、運営する組織、
そして、この運営する為の仕組み、制度、万が一の時の対応の体制、
これが要るっていう点については、マークⅠ、マークⅡで違いがないと思っています。

外国人記者:
新聞には、知事と甘利大臣との公開討論が書かれており、
大臣は原発の安全性に関して、知事が誤解をしているというような発言もありました。 
全体的に知事を威嚇し、原発の安全性に関して黙らせるような印象を受けるのですが、
政府は知事を威嚇していると思いますか。
財政的な圧力を県は受けると思いますか。
そして何かプレッシャーを掛けるような中央政府のほうに対策を取られるっていう感じなんでしょうか。

泉田知事:
甘利大臣にですね、お会いした時、プレッシャーは感じませんでした。
甘利大臣からのお話はですね、何故あのような発言したかという説明もありました。
そもそも担当ではないんですが、甘利大臣は経産大臣もやられてますし、
商工族として名を馳せておられる方ですので、記者会見で質問が出たそうです。
したがいまして、その時の状況も説明をして頂きましたし、
特に脅迫めいた事態っていうのも起きていないと思っています。
財政面も含めて、何かプレッシャーを受けたという記憶はありません

外国人記者:(子供に対する健康チェックについてなど)

泉田知事:
まず、最初のご質問ですけども、世界中に汚染が広がり得るかという点に関していいますと、
既に1960年代の核実験で、世界中にですね、ある程度広がったというふうに理解してます。
また、新潟においてもですね、普通の日本人が食べる食事の一人部分
これを余分に作って、放射能検査をずっと続けてきています
60年代以降低下傾向にあったですね、食事に含まれる放射能は、
チェルノブイリ事故でまた跳ね上がりました。
そして、そのあとまた低減傾向にあったんですけども、
今回の福島事故でですね、また跳ね上がりました。
これは恐らく世界中同じような傾向、濃淡はあるんでしょうけども、あるのではないかと思います。

健康チェックについてもお尋ねがありました。
新潟県は、福島県の西側に位置しています。
事故は3月の事故でした。
北西の風が吹く確率が圧倒的に高い時期です。
恐らくですね、福島事故で出た放射能のかなりの部分が、太平洋に飛散したものと思われます。
したがってですね、放射性物質の降下量のチェックもしていますが、
新潟県内ではですね、殆どこれは検知をされていない、高知県と同じぐらいという数量です。
東京と比べると、1000分の1とか1万分の1の降下量しかありませんでした。

したがいまして、子供の健康チェックを県挙げてやる必要というものはないと認識をしています。
一方ですね、福島県から非難をされている方も多くいらっしゃいます。
また、このお子さんたちはですね、今福島に住んでいる方と同じような形で、
健康チェックを受ける希望を持っていられますし、
実際受けている方も大勢いらっしゃるというふうに認識しています。
ご存知だと思いますが、放射性ヨウ素、半減期が短い、八日程度短いんで、
その時にですね、放射性ヨウ素を吸い込んだかどうかっていうところが、
やっぱり大きな基準になるんではないかと思います。

外国人記者:
原子力のロビーに対して闘っている知事としては、知事はお一人だというふうに考えておりますか。
ほかに闘ってる知事は居ないですか。

泉田知事:
まず、プレッシャーについていいますと、一番感じるのはですね、
記者会見でお話した事が伝わらないっていうところが一番大きいかなと思います。
伝えた事が、んー、どう言ったらいいんでしょうねぇ、
特定の会社のイメージさせないように話したいと思うんですけども、
主旨をですね、ギリギリセーフっていう事かなっていう事だと思うんですけども、
相当ですね、事実を伝えて論争をするという形ではなくて、
感情に訴えるかのような、中身、ファクツを書くというよりはですね、
感情論として書くような伝えられ方をするっていうのが一番プレシャーを
つまり、普通の県政の案件と違って、この案件だけは何故かですね、話した事、
伝えるべき事が伝わらず、そして、言った事もですね、言葉の使い方として、
感情的にやってるんではないかっていうような伝わられ方がしてるというところが一番感じます。

一つ例を挙げますと、先ほども申し上げましたが、TEPCOも3月12日、
もっというと3月11日にはですね、メルトダウンのですね、予測を既にして、
メルトダウンになってるっていう事は分かっていたと思います。
それを二カ月間も嘘を吐いたという点、誰が指示をしたのかという点
これ明らかにしなければ、福島事故の反省にならないというところがですね、
やはり信頼出来ない一つの大きな要因なんですが、ここはどうしても誰も伝えてくれません。

別にこれ、2号機の線量の高いとこ行かなくてもですね、
誰が指示したかなんていうのは分かるわけですから、本来であればこういう理由で嘘を吐きました、
今度はこういうふうにするんで、嘘を吐かないようにしますって言えば良いんですが、
それは言って貰えないっていう事です。
原発の安全性は、原発の性能だけではなく、それを運営する組織
いざっていう時に、どう対応するかっていう社会の仕組みが必要だと思っています。
ここの議論が出来ないというのが極めて不思議です。

外国人記者:
汚染水について、自民党が選挙に勝つまでは、隠されていた事であると言われておりますけれども、
そういう根拠はあると思いますか。

泉田知事:
これはですね、自民党というか、政治主導だったかについては疑いを持っています。
特に新潟はですね、この原発の問題は大変大きな政治イシューになり得る問題でした。
与党にとってはですね、選挙中にこれを話題にするっていうのは、
決してプラスでないという感覚がありました。
選挙期間中にですね、突然申請するとTEPCOが宣言をして、
そして、私のところを訪問する事になりました。
政権与党にとっては、少なくとも新潟にとってはですね、迷惑というのが大変普通の反応でした。
したがってですね、政治主導でやったというよりは、むしろTEPCOのですね、
役員構成が変わった事が大きいんではないかと見ています。
財界から社外取締役がかなり入っています
廣瀬社長もですね、この適合申請をすると、記者会見した日にご本人が言ってましたが、
社外取締役からかなり話があったという事を言われてます。
東電で、生え抜きで育った役員はですね、地元自治体との安全協定が
法律の補完をしてるっていう事を当然よく知っていました。
一方ですね、ビジネスのみをやってきた方にとっては、
そんなもの無視しても良いというふうに考えたとしても不思議はないと思います。
したがってですね、多数決の原理で決まったところ、即ち電力消費地で、首都である東京と、
リスクを負う原発立地地域である新潟の意識の差というものもですね、
背景にあったんではないかと思います。
実は私もですね、まだ経産省に勤めていた時代、東電のトラブル隠しがありました
東京ではですね、でんこちゃんがCMに出てきて、節電しましょうねと言うんですけども、
その時新潟ではですね、国家のエネルギー政策どうするかっていう議論が県議会で行われていました。
東京に居る時はですね、まさにエネルギーは節電っていう事しかなかったんですけども、
まさに地域のですね、生活と、それから国家のエネルギー政策という深い考え方
都市住民は持たれていないんじゃないでしょうか。
県議会での議論というのは、私、知事に就任してからそういう事があったのかという事を
あと付けで知った東京都民でもありました。
このような認識の違いが背景にあったと思います。

外国人記者:
汚染水がそういうような情報っていうのが明らかになったのは、選挙のあとだったっていう事は、
別に偶然ではないというふうに考えていますか。

泉田知事:これはですね、東京電力の体質の問題なんじゃないんでしょうか。

外国人記者:偶然でしょうか。

泉田知事:
ですから、TEPCOがですね、選挙の影響を慮って、あと送りしたと。
少なくとも選挙の前には分かっていたんですが、漁民に説明する事を理由に、
廣瀬社長自身が発表を遅らせてますんで、それは意図的な部分っていうのあったと思っています。
更にいうとですね、5月の段階で放射性物質の濃度が上がっているわけですから、
普通に調べれば、もっと早く発表出来たと思っています。
不自然な経緯があったんで、先ほど申し上げた通り、何故選挙後に発表したんだと問われればですね、
廣瀬社長は、311のレッスンを学べなかったと言わざるを得なかったと思います。

外国人記者:〓?〓

泉田知事:
まずですね、リスクを全て把握しようという思考っていうか、説明はしなかったと思うんですけども。
例えばですね、原子力発電所と普通の発電所の違いは、どこにあるかという事をお話したいと思います。
結局ですね、普通の発電所は地域の発展に繋がるんで、多くの自治体が欲しがります
原子力発電所はですね、そうではなくって、これは地域のですね、世論を分断します。
違いは何かっていうとですね、片一方は放射能を浴びる危険があるという事だけに尽きます。
したがって、事故はですね、普通の発電所でも原子力発電所でも起きるものです。
ポイントはですね、放射能の大量飛散を避けられるかどうかと、
ここをですね、一番原因の究明と対策が取られているかどうかと、
いうところを明らかにしなければ、議論が出来ないという事だと思っています。

記者:
アソシエートメンバーの鈴木といいます。
先ほど知事もちょっと不思議がっておられましたけども、
原子力規制委員長の田中さんも記者会見で、「知事は奇人変人だ」っていうような発言を
なさってましたし、今日本のジャーナリズムの新聞なんかは多くですね、
やっぱり「知事は非常に感情的な奇人変人だ」という扱いで、
今キャンペーンをやってるように、僕には思えます。
で、そういう、ある意味でそういうキャンペーンに対して、知事がこう現状の、なんていうか、
抵抗を続けられるのかどうか、私は非常に心配に思ってますけど、知事のお考えを伺いたいと思います。

泉田知事:
う~ん、そこが多分一番大きな問題だと思ってます。
本来であればですね、冷静な議論をした上で福島のレッスンをですね、
世界の標準にしていくべきだと思ってます。
それが出来なければですね、世界のどこかで、また事故が起きるという事になるんではないでしょうか。
どういう計算か分かりませんが、1万年に一回はですね、メルトダウンが起きるっていう、
今計算になってるそうです。
という事は、原子炉が100基あればですね、100年に一回事故が起きます。
実際世界には450基プラントがあるわけです。
という事は、25年に一回っていう事になって、スリーマイル、チェルノブイリ、
福島って、まぁ大体合うのかなあと思います。
でもそれはね、地球の環境にとっては決して良くないと思ってます。
チェルノブイリ事故のあと、欧州で戦略核兵器削減交渉が進みました。
これは、ゴルバチョフ書記長が核戦争がもし起きたとすると、
チェルノブイリ事故だけで、これだけコストが掛かるのに、
核戦争後の処理は莫大な費用が掛かるという事からですね、
米ソのデタントが進んだというふうに理解しています。
既にですね、人類共通の財産である地球環境を何度もですね、
放射能汚染させてるわけですから、これを繰り返さない為のレッスン、
これをですね、福島の事故を教訓に発信すべきだと私は思っています。

実は私の近しい人からはですね、
「泉田さん、もっと自分の身を可愛がったほうが良いんじゃないか」という話はされています。
長いものに巻かれれば楽じゃないっていう意味です。
長いものに巻かれて、流れに身を任せば、そっちのほうが楽じゃないかっていう意味です。
しかし、分かっているものをですね、対策を取らないという事は、
大きな歴史に対する背任かなと思ってます。
冒頭にお話した通り、新潟の2007年の柏崎刈羽の事故で、免震重要棟を作っていなければ、
今東京は住めなかったと言われています。
実はあの時もですね、
「泉田さん、もうそろそろ良いじゃないか」っていう話は相当ありました。
でも、断固として免震重要棟作って貰ったという事が、
東京の危機を救ったんじゃないかっていう自負ありますんで、
まぁ色々言われるでしょうけど、頑張りたいと思います。

外国人記者:
世論も克服して、やっていかなければならないっていう事になるかもしれないですけど、
そうすると、立場としてはどうなるのでしょうか。

泉田知事:
今の質問ですけども、私がお答えしてるのは、あくまでもBWRの柏崎刈羽原子力発電所
事故当事者である東電が運営してる時の問題です。
TEPCO以外のですね、オペレーターが信頼出来るかどうかについて、
私はコメントをする立場にはありません。
したがいまして、実際PWRを中心にですね、申請が出てるっていうふうに承知を致しています。
あくまでも、柏崎刈羽原子力発電所の安全確保、それもですね、PWRと形式の違う、且つですね、
過去を反省しない企業のオペレーションというものの考え方っていう事を今日はお話したつもりです。
エネルギー政策全体は、国全体で議論してもらえば良いと思います。

今日は有難うございました。Thank you very much.


以上です。
同日、日本記者クラブによる泉田知事記者会見についてはこちら




2013-12-27

2013.8.28(水)日本記者クラブ『泉田裕彦知事記者会見』


こちらもかなり前の会見ですが、泉田知事記者会見を文字にしておきます。
8/28(水)日本外国特派員協会での記者会見に続き、
同日、日本記者クラブでも『原子力発電所の安全対策における懸念について』記者会見を行った。
動画はこちら


川村晃司:
皆さん、お待たせ致しました。
それではこれから新潟県の泉田知事の記者会見といいますか、まず泉田知事にですね、
スライドを使って頂いて、ここにありますように、原子力発電所の安全対策における問題
という事をですね、最新の県知事の言わば方針といいますか、理念を含めてお話して頂いて、
そのあと会場の皆さんからの質疑応答と参りたいと思います。
私は当クラブ企画委員テレビ朝日の川村といいます。
今日の進行を司りますので、宜しくお願い致します。
ではまず30分程度、泉田知事のほうからお話をして頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。

泉田裕彦知事:

皆さん、こんばんは。
本日はこのような機会を、プレゼンテーションさして頂く機会を与えて頂きまして、
誠に有難うございます。
原子力発電所の安全対策、懸念事項がありますので、
今日はこれをまず最初にですね、お話をさして頂きたいと思います。
その前に私、2007年にですね、中越沖地震に遭いました。
この時の状況とですね、今回の違いという事も含めてご説明をさせて頂きたいと思います。
2007年の時はですね、何が問題だったのかという事を抽出した上で対策を取ると。
結構、国も東京電力も協力的にやってくれたっていう感覚あるんですが、
福島事故のあとのですね、問題点、そして対策っていうのはですね、
殆ど協力して貰えないっていうか、無視されているというんで、
2007年と今回、えらい違いというものを実感を致しております。

まずスライドを一枚捲って下さい。

2007年の時ですね、ちょうど煙がですね、これ3号機のタービン建屋からだったんですけど、
出ているという状況の中で、東京電力のですね、サイトと新潟県庁、
ホットラインがあるにも拘わらず、連絡を取る事が出来ませんでした。
その理由は何なのかというとですね、実はホットラインのある部屋がですね、
地震で歪んでドアが開かないと、ホットラインの部屋に辿り着けないっていう理由で、
東電の原発と新潟県庁は、連絡が取れませんでした。
しょうがないので東電の本社に連絡をして、そこで繋いで貰って原発と連絡を取ったと
いう経験をしました。
したがってですね、この2007年の経験を踏まえて、是非ですね、このホットラインぐらい
ちゃんと繋がる体制を作ってくれという事をお願いをしたわけです。
その結果出来たのがですね、この免震重要棟という事になります。
地震があっても揺れを吸収して、そしてここでですね、連絡取れるような機能を作って貰ったと。
無論これは規制に基づいていません。
中越沖地震の経験を踏まえて、こういう施設が要るよねという事で作って貰ったわけです。

で、その新潟で作ったというあとにですね、ふっと考えると、東電の原発は新潟だけじゃなくて、
福島にもありますよねと。
新潟にだけあって福島にないのは変ですよねという事で、
福島の原発に、この免震重要棟が出来たのがこの事故の半年前です。
したがってですね、あの2007年の時私も結構言われました。
「泉田さん、もう良いじゃないか」と。
「東電も色々言っているんだから」と。
「そうは言ったって連絡つかなかったんだからちゃんとやんなきゃ駄目でしょう」
と言って頑張って作って貰ったという事がなければ、福島には免震重要棟なかったはずなんです。
この福島に免震重要棟なければですね、今東京で人が本当に住めたんでしょうかと。
ここで記者会見出来たんでしょうかっていう事すら疑問を覚えると。
即ち事故の経験というのは、やっぱり反省の上に立って
対策を取るべきだという事を強く実感をしています。

もう一枚捲って下さい。

それからですね、今回の福島の事故でですね、消防車を使った注水、
即ち冷却っていうのが行われました。
これ中越沖地震の時、どうだったのかという事なんですけども、
ちょっと写真見て頂きたいんですけども、9ページのスライド。

こういう形でですね、2007年の中越沖地震の事故がありました。
これは、実はアップの映像も世界に配信されたんですが、それどういう写真かっていうと、
消防に使う為の水のパイプがですね、破断をしまして、
水が出なくなっちゃうんです、チョロチョロチョロっと。
東電の消防隊、消防車持ってませんので、これ以上近くに居てもしょうがないっていう事で、
皆さん退避しました。
結果として世界に流れた映像っていうのは、原子力発電所が火を噴いてるのに
周りに誰も人が居ないという映像が世界に配信されたんです。
そのあとの風評被害が大変でした。
コバルト60がちょっとしか出た。
今に比べると殆ど、自然界で検知出来るギリギリのレベルで、
別の人工生成物だから分かるっていうぐらいしか出てないんですが、
それでもですね、風評被害で海水浴に来る人は激減し、
中越地震の時と違ってですね、観光の戻りが物凄く遅いという影響を受けました。
だから、これは何とかしてくれと
訓練十分するっていうのも勿論なんだけど、消防車要るでしょという事をお願いしたら、
作ってくれたのが消防隊で、あの時もですね、ちゃんと要求しなかったら
福島のサイトの中には消防車なかったはずなんです。
もしあの免震重要棟もなくて、消防車がなかったら、本当に収束作業出来たんでしょうか
いう経験をしました。
やはり事故の経験ていうのは、真摯に反省をして、対策取るべきだというのを
2007年の時に感じています。

もう一枚お願いします。今度は対応3の3ページ。

これもですね、中越沖地震を踏まえて、規制に基づいたわけじゃないんですけども、
不等沈下が起きたんですよね。
で、火事になりました。
火事になったというところ、今度ちょっとまた絵を見て欲しいんですが、7ページ。

これ、一番激しい所を撮った写真じゃありません。
柏崎刈羽の構内ですね、殆ど全域に渡ってこんな感じです。
手すりは落ちるわ、歩道はなくなるわという形でですね、
柏崎刈羽原子力発電所の構内、おおよそこんな感じになってました。

で、一枚捲って下さい。

不等沈下ってこういう事なんですけども、分かりますかね。
沈下って書いてある線の上に、白いコンクリートと土に汚れたコンクリートの境目があると思います。
元々のですね、地盤ていうのは、あの境目まで、こうあったわけです。
それが地震で沈下をしてですね、一番下がったところで1.5m低下をするという事になりました。
結果として何が起きたかっていうと、今度スライドのですね、11ページご覧下さい。

これ変圧器を繋いでいるパイプなんですけども、このパイプがですね、外れて、油が漏れて、
電線がショートしたとっから火が付いて火事になったという事です。
で、再稼働をですね、そのあとする事になるわけですけども、
この再稼働をする時に、東電からの説明があったのは、「これ建物と一体化しますから」と。
「今度は配管が外れるっていう事は起きません」っていう説明で、了解をしたという経緯があります。
そこでですね、この2007年というのは、まさに火事が起きた事に対して、どう対処するか
それに対して対策をどうするかっていう事をやった上でのですね、
次のステップという事をやったという事であります。

で、次に4ページ見て頂きたいと思います。

2007年と今回違うのはですね、まず組織が原子力安全保安院から原子力規制委員会に
変わったというところに違いがあります。
原子力規制委員会のですね、これまでの対応を見ていますと、どうなってるかっというとですね、
原発の性能基準については、我々が審査をしますと。
しかし、それだけが任務っていう形でやってるんではないか、という感じがしてなりません。
実はこれ、委員の選任の時から何度も言ったんですけども、全然声届かなかったんですが、
これいざ事故が起きたという時には、原子力規制委員会が責任を持って、
政治介入を許さずに、収束にあたるという事もですね、任務の中に入ってるわけであります。
しかしながらですね、それ性能だけで決まらないわけです。
法令どうするんだと、組織はどうなるんだと、
誰が判断するんでしょうかっていうような事、
ソフト面も含めてですね、対応しないと原子力安全の確保なんて出来ないはずなんです。

で、赤線引いておきましたけども、これ『原子力規制委員会設置法』です。
所掌事務の中で、原子力利用における安全の確保に関する事、
これがですね、原子力規制委員会の任務です。所掌事務です。
で、二項を見て頂くと分かるんですが、
原子力利用の安全確保に関する事項について勧告し、とあります。
設備の性能の安全だけ確保すれば良いんじゃなくって、原子力規制委員会はですね、
原子力利用の安全を確保する為の機能を与えられてるんです。
したがって、政府の中に必要なですね、対策を取るように勧告する機能を持たないといけない。
これを使う気が全くない。
自らですね、所掌事務を狭めて、責任逃れをしているようにしか見えないと。
自分のやったところはこれだけですからと。
ここだけ見ただけですよという形で終わってるという印象を持っています。

で、次のページご覧下さい。
実は、基準を作る前からですね、2007年の経験、それから東日本大震災の影響を受けたですね、
原発事故、こういったものの検証作業も県の技術委員会にお願いしてたところもあって、
分かったところについては、対応して欲しいっていうお願いを行いました。
しかし、原子力規制委員会からどんな回答があったかっていう事の一例なんですけども、
全部やると大変なんで、ちょっと代表的なところをいきたいと思います。
上から二番目。字が小さいんでご説明したいと思います。お手元にあったらご覧頂きたいんですが、
炉規法に定める基準だけじゃなくって、オフサイトの防災対策どうするのか
で、事故対応にあたる時ですね、民間と民間の契約で、労働法制の基準を超えた放射能
浴びる所に行って下さいっていう契約は、公序良俗に反するので出来ないはずなんですよね。
じゃあ、いざ事故が起きた時に、ジジイの決死隊で行くぞと、
その場限りの対応をするっていう事じゃなくって、いざ収束活動にあたる時、
民民で対応出来ないような時、どうするんですかと。
この法制度を準備して欲しいと。
原子力に係わる法制度全体を見直して事故対応をやらないと、また泥縄になりますよと、
対策を講じて下さいってお願いをしたところ、原子力規制委員会からの答えは、
新規制基準に関係ないっていう答えになってるという事であります。

次に、上から5番目なんですけども、ベントとか海水注入、これ重大判断ですよね。
5,000億する機械を潰しましょうという判断をこれ運転員だったら誰でも知ってるんですけども、
冷却材を喪失するとですね、最短二時間でメルトダウンするっていう事になるわけです。
数時間で判断をしなければいけないという時にですね、誰が判断するんですかと。
実は、武藤当時副社長、原子力本部長なんですが、退任される時に私のところにご挨拶に来られました。
3月11日はですね、勝俣会長は中国でした。
それから清水社長は奈良に居ました。
現場でですね、指揮出来るのは、武藤副社長という事になるんですけども、
海水注入するとやっぱり廃炉だよねという話があるわけで、
海水注入の決断を武藤さんが出来たのかどうか聞いてみました。
これカメラの前で聞いてるんで、各社調べて頂くと記録残ってると思うんですけども、
「副社長の一存では判断出来ません」という答えでした。
そりゃそうですよね。
5,000億パーにする時に、会長、社長の意思決定なしに出来るのかという事なると、
やっぱり出来ないという事だと思います。
でもそれじゃ困るんですよ。
二時間でメルトダウンしちゃうんです。
あの福島事故の本質は何かっていうと、原子力安全は、止める、冷す、閉じ込めるなんです。
止める、冷す、閉じ込めるで、安全が確保出来て、止めるのは成功したと、スクラム成功と。
ところが、冷す事に失敗すると、自動的に閉じ込めに失敗して、
放射能を大量にまき散らしてしまいますねっていうのが、これ、福島の教訓なわけです。
だから、いかに早く冷却するかという事が重要なんですが、そこが本当に出来るんでしょうかと。
誰が決断するんでしょうか。
サラリーマンが、これまぁ原発所長ですよね、5,000億廃炉の決断が出来るんでしょうかと。
じゃあ原子力規制委員長がやるんでしょうか。
総理がやるんでしょうかという点について、手順が何も決まってないんで、
決めて欲しいという話をしましたら、ここに書いてあるように、
「規制基準に関係ない」という答えが戻ってくるというような状況でして、
およそ原子力規制委員会が事故を防ぐつもりがあるのか
そして、住民をですね、被曝から守る気があるのかという事になると、
所掌外、所掌外という話になって、まともにやってもらえていないというのが現状なわけです。

特に3月のですね、田中委員長の記者会見。
これ原発立地の自治体っていうのは、原災法に基づくですね、
住民避難に責任を持つ行政機関なわけです。
ここからの質問に対してですね、答えていないんじゃないですかという記者の質問に対して、
田中委員長の答えは、
知事からの質問が出たからといっていちいち答える義務はない
っていうふうに言われているという事ですんで、
日本の規制機関って本当に大丈夫なんだろうかという事が極めて疑問という状況だと思っています。

で、次のスライドお願いします。

福島のですね、原発事故後の懸念
まずフィルタベントをどうするんだという話があるわけなんですが、
先ほど2007年の時に、ご説明した通り、建屋と一体化していないとパイプが外れるかもしれない、
配管が外れるかもしんないという懸念があるんで、一体化して欲しいという話をお願いをしています。
それに対してですね、今度12ページちょっとスライド見せて下さい。

どうも規制委員会のほうがですね、早く、どんどん出来る工事はやっちゃって下さいっていう話を
したらしくって、東電はそれに従って、地元自治体と協議なしに、
先に作っちゃったんですけど、フィルタベントの本体、離してるんですよ。
こないだの説明と違いますよねと。
一体化して欲しいというお願いをしているんですが、一切対応して貰えないっていう事です。
岩盤に打ち込んでるからとかっていう話あるんですが、
同じ岩盤にあればですね、大丈夫かっていうと、皆さん東日本大震災の時の西新宿、
新宿の高層ビル街見てイメージ思い出して頂くと分かるんですが、
建物には固有周波数ってありますんで、離しておけばですね、
別々の揺れになるわけですよ、当然の事ながら。
一体化したほうが安全に決まってるわけで、これでも大丈夫とかって言うんですけど、
余裕を持たせてるから。
そうじゃなくて、より安全にしてくださいという事については、
やらないという状況になってるわけであります。
外れてしまえばどうなるかっていうと、放射能が直接出てくるという事になるわけであります。

それからですね、次にスライド飛ばして貰ってですね、懸念2、13ページのスライドお願いします。
フィルタベントというのはですね、希ガスは透過しません。

必ず出てしまうという事になるわけです。
そうするとですね、これ避難計画と連動させないと、
住民被曝しちゃうリスクがあるという事だと思ってます。
現実にですね、馬場町長なんかよく言われるんですが、
浪江町のですね、比較的線量の低い所から、わざわざ町民を高い所に避難さしてしまったと。
福島市に向かって、北西に向かって伸びる道路のですね、中で、
車で被曝された方なんていうのも結構おられるという状況になってるわけです。
だから、フィルタベントにどれだけの性能を持たせるのかという事は、避難計画、
物理的に可能なものと整合して性能を決めないといけないわけで、
一律にですね、原子力規制委員会が判断出来るはずがないと。
それも3基しかない所と7基ある所で、また意味が違ってくるわけですので、
ここのところどう考えてるんですかという事についても、甚だ心許ないという状況です。
因みにですね、これ甲状腺癌、どういうふうになってるのかという事なんですが、
我々もですね、県の専門家にですね、聞いています。
因みに数字で申し上げると、皆さまご存じだと思いますけども、
新潟県内では事故発生後から今日までですね、甲状腺癌確認された人は一人です。
一方、福島では18人
confirm(コンファーム)て確認されて、更にですね、疑い事例が20数名居ると。
で、まだ全部終わってるわけではないっていう状況になっています。

これチェルノブイリの事故の時も同じような事言われて、
一生懸命検査してるんでいっぱい見つかっただけですよという話だったんですが、
あと数年するとですね、どうなるかって、はっきり分かります。
産まれていなかった子供たち、今の2歳以下の子供たちの発症率と
それ以上の発症率に、差があるっていう事ですよね。
ソ連の場合はですね、事故以降に産まれた子供たちの発症率とそれ以前の発症率に差があったんで、
これは間違いなく原発事故の影響だっていう事で確認をされたと。
ウクライナ政府はですね、もっと色んな病気があるっていう事を言ってるんですが、
IAEAは認めていないという状況で、ウクライナ政府の見解とIAEAの見解が今ずれていると。
唯一、これ、言い逃れが出来なかったっていう事だと思うんですけども、
甲状腺癌については、原発事故の影響っていうのを認めたという事です。
だからあと数年してですね、マクロで違いがあるかどうかっていう事を見ないといけない。
因みに、新潟県がヒアリングしてる専門家はこういう事を言われてます。
原発事故直後はですね、「これが原発事故の影響によるものかどうかっていうのは、
よく分からない」っていう見解だったんですけども、
今聞くとですね、「原発事故の影響は否定出来ない」っていう言い方になってます。
あと数年経つと、これがどうなるかっていうのがいよいよ確定すると、
いう事ではないかなあというふうに思ってます。

因みに新潟県、防災訓練をやってみました。
PAZですね、半径5km以内、即ち即時避難地域っていうので、約2万人の人が住んでおられます。
400人参加でですね、避難訓練やったら、大渋滞が起きてインターチェンジまで辿り着かないと、
いうような状況になってますんで、これ本当にですね、どういう対応をするのかっていう事を
考えないと、単にですね、基準合致、はいOKという事にはならないという事だと思っています。
住民被曝を避ける為にどうしたら良いのかという事。
まぁ言葉の語感と違うんですけども、簡易核シェルターみたいなものを
小学校区単位に設置するっていう事も必要なのかもしれない。
核シェルターっていうと凄いなんかイメージあるんですが、
例えば新潟県庁の防災センターは、万が一の時は目減りしてですね、
濾し取るフィルターを付けるというような形。
これ1,500万くらいで措置出来るんですけども、
そういう形のですね、防護措置を講じるという事も考えないといけないんじゃないか。
なんで原子力発電所の性能だけで、議論出来るのかというのは、
全く理解出来ない、いう事だと思っています。

次に、次のスライド懸念3をご覧頂きたいと思います。

これよく誤解されるんですが、安全基準というふうに言われる政治家の方居ますが、
規制委員会は、決して安全基準て言いません
規制基準ていう言い方をしています。
何故ならばですね、これまで原発は事故が起きません、安全ですよというから、
安全基準という言い方だったんですが、今度は一定の確率で事故が起きるという前提です。
それを規制する基準という意味で、規制基準という言い方をしています。
しかしですね、これ一定の確率で事故が起きるっていう前提なんですが、
じゃ、過酷事故が起きた場合に、どうやって事故を収束させるんですかと、
被害を抑えるんですかと、これIAEAのですね、深層防護の第5ランクが極めてですね、
不備であるっていう状況になってます。
国際基準に達してないっていう事だと思っています。
この事故を収束させる体制をいかに構築するかというところは、さっき見て頂いたように、
規制基準と関係ないっていう言い方をされてますんで、極めて住民にとってはですね、
理不尽な状況で物事が進んでるという認識をしています。

それで、福島事故の本質って何なのかと。
これね、スタートからして説明の仕方が、少し違うんじゃないかと思ってます。
大勢の人は、これ津波事故だと思わされている。
若しくは、電源喪失事故だと思わされている。
そんな事ありませんから。
本質はですね、冷却材喪失事故なんです。
冷す事が出来なくなったから、メルトダウンしたっていう事で、津波はきっかけです。
電源喪失もきっかけです。
もっというとですね、3月11日の3時35分か7分です。
津波が来てSBOが起きた時にですね、やる事は決まってるわけですよ。
もう冷却しかないわけです。
これ、冬のですね、暗くなった夕方イメージして欲しいんですが、
自宅でですね、やかんをガスで沸かしてましたと。
そしたら強風が吹いてきて、隣の家の木が倒れて、電気が、電線が切れて真っ暗になりました。
そういう事態になった時に、何します?最初に。
電線直しに行きますかと。
ほんな事ないわけですよ。
やかんの火を止めるっていうのを先にやるんです。
これはJNES(ジェネス)のですね、教育訓練用のビデオを見るまでもなくですね、
冷却失敗すれば、2時間でメルトダウンっていうのは、プロ誰でも知ってるわけです。
これ、忙しくって混乱したみたいな言い方してますけども、
優先順位っちゅうのあるわけなんですよね。
まず最初にやる事は冷却なんです。
ベントをするまでもなく、圧が低ければ低圧で挿入出来るわけですよね。
若しくは、積極的に確認しないと駄目ですよ、ICが動いてたかどうか。
何故24時間で1号機が爆発したのかっていうと冷却に失敗したからであって、
電源確保の問題でも津波の問題でもないっていう事です。
福島事故の本質は、冷却失敗によるメルトダウンがいかに被害を大きくさせたのかという事です。
で、この辺を詰めると、どういう答えが返ってくるかっていうと、
「いや、訓練が足りませんでした」と。
ちょっと待てと。
一番ですね、やらないといけない運転員が、冷却の事を視野に入れませんでしたっていう会社が、
本当に原発運転出来るんでしょうかと、いう疑問に突き当たると。
仮にそうだったとすると、どういう対策取ったんですかっていう説明が
今、全くない状態になっています。
で、4号機、これ停止してました、定期検査中で。
ところがですね、4号機はメルトダウンの危険があったわけです。
たまたま水素爆発したんで、屋根がなくなって、上からキリンで水入れられましたけど、
あれ、水素爆発しなかったら、使用済燃料プールでメルトダウンしていた可能性があると。
入れなかったんです、でも作業員、線量が高くって。
線量が高くって、ホースで水入れらんないところをまた同じ状況になったらどうするんですか。
労働安全衛生法上、民民で契約で行って下さいっていうわけにいかないでしょう。
突然としてジジイの決死隊で行くぞってまた言うんですかね。
それとも、そういう専門の部隊作るのか作らないのか
こういう話は一切しない。
こういう形で、収束作業が本当に出来るんでしょうかという事です。

それからもう一つ指摘をさせて頂きたいんですが、
放射能を最大に振り撒いた原発は2号機です。
何故、2号機から大量の放射能が飛散したのか、爆発していないのに。
これはですね、格納容器が破損したからです。
じゃあ、なんで格納容器が破損をしたんでしょうかと。
ベントが出来ないからです。
じゃあ何故、ベントが出来なかったんでしょうかと。
これ、技術的要素と、それから社会的要素二つあるんですけども、
社会的要素のほうを先にいうとですね、1号機、これ3月12日の未明1時の官房長官会見まで、
政府はベントを禁止していました、東電に対して。
何故かっていうと、住民避難が確認出来ないからです。
だから、史上初めて故意に放射性物質を放出するにあたってですね、
住民避難を確認出来ない中でベントするなと。
今これで公表しましたから、さぁこれからやって下さいという事になったんですが、
そっから先は、3時になって出来た、出来ないとかって話になってくんですが、
少なくても、5時の段階、3月11日の夕方5時の段階で既に線量が上がっていて、
第一回目の東電の進展予測がなされています。
一時間後にメルトダウンが始まると。
3月11日の6時過ぎには、もう危なかったにも拘わらず、そこでベントさせなければ、
冷却出来なくなるわけですよ。
これ、どうするんですかという事ですよね。
更に東電に問いたいのは、3月11日の時点で、もうメルトダウンの予想をしていたわけです。
更に3月12日の未明の段階で、燃料棒の中のペレットの中にしかない物質
建屋の外で検知してるんです。
だから、保安院の中村幸一郎審議官は、メルトダウンしてると見て良いっていう発言を
記者会見でしているわけです。
二カ月嘘吐きました
メルトダウンしてるのを知っているのに。
誰が指示したんですかという指揮命令系統の確認。
そして、それに対してどう対策を取るんですかって話、やってないわけですよ。

で、これ汚染水問題も全く一緒でして、汚染水の気配は5月ぐらいから分かっていた
少なくても参議院選挙の前にはですね、社長まで上がって、確認を取れてるわけです。
汚染水が海に漏れてますよと。
でも発表を遅らせましたと。
なんでそういう行動を取るんですかと。
嘘を吐くんですか。
その原因は何なんですか。
誰が責任者なんですか、という事を全く問題の解消に向けて、
原因も追究しなければ対策も講じていないという状況になっているわけです。
もう本当に東電というのは。
2007年の時はそれでも一生懸命やってくれたんです。
今回はですね、嘘吐くんです。
本当の事を言わない。
それからですね、社会的責任は果たさない。
口ではやるって言いながら。
これ被災者に対する支援もそうです。
佐藤知事から一回言われたんですけど、「東電やんないんだろう」って言って、言われたんですが、
カメラの前ではですね、「我々の責任で被災者の救済やります」っていうふうに一生懸命言うんですが、
いざ個別の話になると、のらりくらり逃げてですね、やらないと。
新潟にもまだ多くの、5,000人弱の人がですね、避難して来られています。
この人たちは、生活再建の目途を立てられません。
何故かっていうと、公共補償と違ってですね、元々持っていた田んぼ、山、それから船、
壊れたらですね、使えなくなったら賠償して、もう一回生活再建出来るようにするっていうのが
公共補償の考え方ですけど、東電の賠償はですね、いかにこう支出を減らすか。
目減りをさしてですね、今減ってるんだから、アンタの価値これだけねって言って
二束三文のお金を渡されて終わり
だから生活再建が出来ない。
結局ですね、誰も責任取らないわけです。
国も東電も責任を取らない。
で、事故が起きると、誰に皺が寄るかっていうと、そこに住んでいて生活をしていた人に
全部皺が寄ってですね、あとは時間と共に風化を待つっていうような事になってるんじゃないかと。
これで本当にですね、安心して立地地域の人が安全対策に取り組めるんでしょうか。
その現実を見せつけられてるっていう日々が今続いてるという事です。

それ以外にもですね、ちょっともう時間過ぎるんでやめますが、
使用済核燃料どうするのという話。
これも皆さん懸念をしています。
六ヶ所村で今引取っているのは、廃棄物として引き取ってるわけじゃなくて、
プルサーマルがあるんで、あくまで資源としてお預かりしてるという位置付けですから、
この辺決めないとですね、使用済高レベルの放射性廃棄物が戻ってきちゃいますよと。
どうしますかという事もあるわけですし、
ヨウ素剤、これも酷い話で、自治体によっては配布したんですが、
国から回収指示出てましたよねぇ。
なんでなんですかって、どうも聞いてみると、副作用に対するですね、責任取る主体が
決まってないっていう事なんで、何万人も服用して副反応が出た時に、
責任取りたくないんで、回収したっていうところが背景にあったんではないかと。
この辺も是非報道機関で、当時の経緯調べて頂きたいと思ってるんですけども、
そういう責任回避の為にですね、先ほどお話した甲状腺癌の子供たちが
いっぱい出てるんだとすると、大変罪深いという事になるんではないかという問題意識もあります。

それから16ページ。懸念6なんですけども、二重体系です。
新潟まで避難されて来た方っていうのは、5回ないし6回、
酷い人は7回とですね、避難場所を変えてます。
何故そうなるのかっていうと、自然災害で避難指示避難勧告出す人は市町村長です、原則。
そして一方ですね、原子力災害で避難指示出す人は総理です。
だから、地震と津波であっち行ってください、こっち行ってくださいって言っていたあとに、
2km避難してください、5km避難してください、20km避難してくださいって言われるから、
あっち行ってこっち行ってって新潟まで来た時には、
もう4回、5回目の避難ですっていう事になっちゃうという事なんです。
これは、やっぱり統合的な対応をしないと、合理的な避難って難しいと思うんです。
私も山古志村の全村避難経験しましたが、広域自治体が避難をですね、
お願いする時っていうのは、どうするかっていうと、
受入れ先、市町村を決めるだけじゃありません。
ここの高校に行きましょうと、受入れ先の場所まで決めて、
それで全村避難をお願いをする、という事をやりましたけども、
今回政府はですね、30kmの外出てください、20kmの外出てください、それだけ。
更に、桜井市長、あの南相馬の、言われるのはですね、連絡すらないと。
掛かってるんですよ、20km範囲内に。
FAX一本来なかったと。
何故かっていうと、事務局が原子力安全保安院だからです。
これ経産省の一組織でしたので、私も通産省に居ましたんで分かりますけど、
通産省の職員というのは、企業行政ばっかりやるんですよ、若い頃から。
だから、住民と向き合った事もなければ、自治体と話する機会もない。
中小企業庁すら自治体スルーするというような感じになってますんで、
どうしてもですね、連絡先に20km、どんな自治体があって誰に連絡するのかすら出来なかったと。
だから、災害対策なんていうのは、法制度一本化してですね、
一律にやるべきだという事を言ってるんですが、これもやらないという事になってます。

最後に、17、18ページ。字が細かいんで一つだけ言います。
四つ目のポツぐらいですかね。
先ほど申し上げた通り、メルトダウン起きてるっていうのは、
東電はもう事故の極めて早い初期段階から知っていたわけですが、
これを5月の下旬まで言いませんでした。
こういう嘘を吐くわけなんですよね。
汚染水問題もそうですし、それから社長の頭の中っていうのは、
今9割がですね、資金調達と賠償の話でいっぱいと。
こんな企業が本当にですね、原子力発電所の安全運転出来るんでしょうかという懸念を持ってます。
最近感じるのはですね、こういう状況よりも、一度破綻処理をした上で、
体制立て直したほうが良いんじゃないかっていう事も選択肢の一つ
なるんではないかっていう事を今思い始めています。

廣瀬社長の語録、これも象徴的だと思うんですが、
3月11日の経験を汚染水の情報発表が遅れた事を追及された時に言った発言なんですけども、
汚染水の公表の遅れは、3月11日の教訓を学べませんでした」と。
今頃になって言ってるわけです。
311の教訓を今になって学べない会社っていうのが、本当にですね、
原子力発電所のオペレーション出来るのかという懸念を持たざるを得ないというのが今正直なとこです。
以上、ちょっと飛ばしましたけども、安全対策についての懸念、どうもご清聴有難うございました。

川村:
どうも有難うございました。
2007年の中越沖地震の教訓として、福島に免震重要棟ができ、或いは消防の施設も出来た、
にも拘わらず、福島原発の収束はまだ見えてきていないという事が、
まぁ、東京電力のまぁ体質、或いは今後東電を破綻処理するという中で、
国が全面的に出て来ても良いんではないかっというところまで
示唆して頂いた知事の会見だったと思いますけれども、
えー、これから質問に入りたいと、質疑に入りたいと思いますけど、
あのまず最初に私のほうから、東電との現段階での折衝がですね、
一体どうなっているのかっというところが、一度知事と廣瀬社長との面談が
まぁテレビでもきちんとかなり細かく報道されたわけですけど、
その後、その原発の立地自治体の柏崎刈羽の人たちと東電、そして県という中で、
少しずつ、こう温度差が出て来ているんではないかというふうにも言われていますけど、
今、世界のトップニュースになっている、その汚染水が、これだけ漏れているという中でですね、
東京電力の場合、経営の危機という事を前面に打ち出しているようにも感じられるんですけど、
国民の危機という立場から考えて、泉田知事は今後、
東電とどういうふうに向き合って行こうとしているのかを最初にお伺いしたいと思います。

泉田知事:
はい。まずですね、安全を確保するっていう事は、
実は東京電力にとってもプラスなはずなんですよね。
その場限りの対応をする事によって、
コストを更に増大させてるんじゃないかという気がしてなりません。
例えば、汚染水問題に関していうとですね、今初めて出た問題じゃないわけですよね。
当時の馬淵補佐官も言われてますし、菅元総理も言われてますが、
汚染水問題はもう最初っから念頭にあって、これ対応しようよという話をしたところ、
1,000億は経営負担なんで、といううちに有耶無耶になって、今日に至ってると。
あの時、最初に投入していれば、これだけ日本の信用を傷つける事になったんでしょうかと。
それから、これだけですね、余分なコストが掛かるような事になったんでしょうかという事を考えると、
早く対応していれば、早く収束に向って一歩進む事が出来るのに、
それを避ける事によって、自分の首を絞めてるんじゃないんでしょうかという気がしてなりません。
信用を落としてる原因ていうのもそういう事で、
早く過去の負の遺産、清算するっていう気持ちになれないのかなぁと思うんですが、
メルトダウン嘘を吐きましたと、
こういう理由でこの人が指示出したんで、メルトダウン二カ月嘘吐いちゃったんですと、
だから今度はこういうふうに直しますよという事を
どうして世の中に向かって言わないんだろうかと。
これはですね、日本の信用、それから住民の安全という観点も含めて、
やっぱり妥協すべきではないんだろうと思っています。

あの2007年の時も、実は私相当言われました。
「泉田さん、もう相当やってるんだから良いんじゃないの。これぐらいにしとけば」と。
「流れに身を任して長い物に巻かれたほうが良いんじゃないか」
みたいな事をアドバイスする人も居ました。
でも、今思うとですね、断固としてホットラインが繋がらなかった事に対しては、
対応して欲しいと、やって貰って良かったと。
あれ、もし新潟で作っていなかったら、福島も作っていないわけですから、
東京を失ってた可能性があると。
やっぱり原因、原因て、問題点が分かっているのに口をつぐむ、
保身としては、泉田自身は楽かもしれません、かもしれませんけど、
これはやっぱり後世、歴史に対するですね、不誠実、背任じゃないかなぁと思ってますんで、
問題点として気が付いた事は、やっぱりしっかり発信していくという形で
向き合っていきたいなと思ってます。

川村:
はい、有難うございました。それでは会場から質問を受付けたいと思いますので、
お名前と所属を発言した上で質問して頂きたいと思います。どうぞ。はい、どうぞ。

ヒジカタ:具体的な質問は、あとから出て来ると思いますけれども…

川村:お名前と…

ヒジカタ:
個人会員のヒジカタです。
えー、この福島東電事故に対するですね、国の認識ですよね。
そのまぁ、総理大臣の認識なのかもしれません。
で、収束したっていう、あれはその最悪のね、野田さんの言った。
今、そういう事は、我々言ってませんていう、そのあれは総理は言ってるわけですよ。
で、その人の認識ってものをどういうふうに考えてらっしゃいますか。
そのー、あまりに無責任じゃないすか。
何もね、その我々は収束してませんよ、だから何するって言ってないんですよね。
そこのあれがないから、国が金を出せば良いとか、何か小手先の事が、
本当に、その国の方針が総理にあるのか、まぁ内閣にあるのか、
まぁ難しい事かもしれませんけども、そこのところの認識をその知事はどういうふうにお考えですか。

泉田知事:
はい。実はですね、原発の立地自治体で話し合いをした時の質問とほぼ一緒だなぁと、
皆さんの感想と。というのはですね、今司令塔がないんです、国に。
どこが責任を持って、この原発問題に向き合うのかと。
安全性確保するのかという事についての司令塔がない状況です。
例を挙げるとですね、文部科学省関係しますよね。
で、それから防災っていう意味では、内閣府関係します。
原子力規制委員会設置の環境省が関係します。
勿論、経済産業省が関係します、という事で、いっぱい関係すればするほど、
セクショナリズムに走ってですね、全体を責任持ってやる司令塔は、どこなのかという事が
曖昧になっている。
今ですね、原発立地協の間でやろうとしてる最大の事は、窓口を作らせると、政府に。
これをやろうとしてるんです。
そうじゃないと、さっき見て頂いた通りに、うちの所管じゃありませんみたいな話になるんです。

ヒジカタ:総理大臣にやらせれば良いんじゃないですか。

泉田知事:
で、ここのところはですね、制度上はですね、原子力規制委員会だと思ってます。
条文見て貰った通り、原子力利用の安全確保に関する事を所掌事務に持ち、
勧告権を持ってるんだから、ここはやらないといけないと。
ただここがですね、どういう経緯で人選をしてもらって、
任命される時に、時の政府とどういう約束があったかよく分かりませんが、
いかに責任を小さくするかっていう形で動いてるようにしか見えないと。
で、普通は選挙で選ばれた政治家であれば、これ相当世論も気にして、
責任をじゃあ持ってやらないといけないという気持ちになるんですけども、
身分保障があるんですよね、五年間の。
だから、選挙の洗礼もない中で、且つですね、政治的責任も負わない体制で、
実は権限持っちゃってると、いう中で、政治責任を持つ主体が明らかでないという問題なんで、
誰がリーダーシップ取るべきなのかと、まぁ言われる通り総理という事かもしれません。
ただ、この制度作ったのはですね、時の菅さんが過剰に政治介入したせいじゃないかっていう事で、
政治から遮断する為に作った制度っていう側面もあって、
少し宙ぶらりんになってるのかなぁという事ですんで、もう一回仕切り直してですね、
政府全体で責任を決めるという事は、私、必要なんじゃないかなと思ってます。

川村:はい、どうぞ。

シムラ:
朝日新聞OBのシムラと申します。
確かあの柏崎刈羽の原発の中に、地震以降ですね、2007年以降、
動いてない原発は沢山あると思うんですね。

泉田知事:はい、はい、はい、三つ。

シムラ:
それで、何故動いてないのか、それ東京電力が明らかにしてないので、
我々も分かんないんですが、にも拘わらず、また動かすという事はですね、
地震でもって相当ダメージを受けてる原発があるわけですよね。
そこで非常に東京電力の言ってる事は、矛盾していると思うんで、
その辺は知事、どういうふうに把握されてんですか。

泉田知事:
3基動かしてません
理由はですね、安全協定に基づいて運転停止要請掛けてるからです。
これ、二つハードルがあってですね、消防法に基づく使用禁止命令が柏崎市消防から出てます。
それと、新潟県、柏崎市、刈羽村の三つからですね、了解しないものについては、
運転をしないでくださいねという安全協定上の制限を掛けてるっていう事なんです。
で、実は1号機ずつ審査をして、チェックしてました。
で、全部動く前に、また東日本大震災が来たんで、消防法上の制約と安全規定上のですね、
制限で動いていないという事です。

川村:
宜しいでしょうか。後ろの方もどうぞ、質問をして頂きたいと思いますけれども、どうぞ、次の質問。

フジサキ:
すみません、朝日新聞の記者のフジサキと申します。
先ほどの特派員協会でのご発言の真意について、確認をさせて頂きたい点があるんですけれども、
先ほど国が前面に出る方向性が汚染水で打ち出されているけれども、
これによる影響はっていう質問に対して、知事のほうが汚染水に政府が関わって結果が出れば、
政府と東電に対する信頼は上がると思うというふうに仰って、
まぁ住民に対する、あのー苦しみが下がるのかって事も重要だと思うと仰っていたと思うんですが、
この汚染水対策と今回の柏崎のご判断への影響
政府と東電に対する信頼感っていうのは、何らか影響するものなのかっていう事を
まず一点伺わせて頂きたいと思います。

泉田知事:
はい。今ですね、東京電力の状況どうかっていうと、
嘘を吐かない約束を守る社会的責任を果たす、この三つが出来ていないという状況です。
その例の一つとして、汚染水対応っていうのもあるという事だと思っています。
だから、この会社は本当に原発を運転する資格のある会社なのかという判断の一要素に
当然なり得るという事だと思ってます。
安全を蔑ろにして経営優先する。
先ほど説明したように、フィルタベント外れると生の放射能が出ちゃうじゃないと、
だから、より安全にしてよって言っても、やってくんないわけですよ。
それで安全に運転します、でも頭の中の9割は借金と賠償ですって言われたら、
安心出来ないでしょう。
だから、やっぱりそこは、東京電力の信頼性っていう意味での判断の一つの大きな要素に
なってくるっていう事だと思います。

フジサキ:
もう一点お伺いしたいんです。その時にですね、廣瀬さんと会われる予定があるかどうかっていう
同じ質問に対してですね、知事のほうが、あのー、まぁ、あの技術的なところでの、
どの項目について、最後最終決断するのか、再議がつけばもうお会いしますというような
お話だったかと思うんですけども、その目途というか、いつ頃その最終決断…

泉田知事:
それはね、東電に、東電に聞いて欲しいですよね。
さっきから言ってるように、やり取りして議題を決めてですよ、
で、最後トップ同士でっていう事であれば、話は進むんでしょうけど、
技術論を私と廣瀬さんでやってもしょうがないですよね。
という事で、事務当局同士でやってるわけで、そこがちゃんと噛み合うような形で
議論して貰えれば、早く纏まるんじゃないんでしょうか。

川村:ほかに、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

マエダ:
新潟日報のマエダと申します。先ほど、破綻処理をしたほうが良いと仰ってましたけど、東京電力が。

泉田知事:いやいや、そんなこと言ってません。

マエダ:良いと思っていると仰った。

泉田知事:いや、言ってません。

マエダ:さっき仰ってませんでしたかね。

泉田知事:言ってません。

川村:破綻処理も選択肢に入れたらという話…

泉田知事:なり得るかもしれないと考え始めてるって言いました。

マエダ:
あの、破綻処理も選択肢になり得ると考え始めているという事なんですけれども、
破綻処理をすると、そのほうが良いと考える理由を教えて頂きたいんですけども。

泉田知事:
ですから、今の経営陣の頭の中の9割がですね、
借金と賠償っていう事で、安全運転考えるの大変でしょう。
最後事故が起きた場合にどうするかっていうと、経営トップの判断になるのか、
大臣なのか、規制委員長なのか、まだ判然としませんが、
やはり安全運転どうするかっていう事を考えられる会社でなければ、
安心難しいんじゃないですかと。
じゃあ、その体制を作る為にどうしたら良いかという選択肢の一つとして、
破綻処理も選択肢の中に入って来得るんじゃないでしょうかと考え始めてますという意味です。

マエダ:
すると、破綻処理をして、主に経営陣が入れ替わる、刷新するという事が大事だという事でしょうか。

泉田知事:
だから、メカニズムですよね。
破綻処理したあとに、会社一つで行くのか、分離するのかね、発送電分離って話も出てますよね。
賠償会社と分けない理由、色々言ってるみたいですけども、
これ同じ会社でそのまま行くのか、少し部門ごとに分けていくのか、
これは前国会で法案流れちゃったんで、政治のイニシアチブも必要だと思うんですけども、
少なくても安全を考える会社に生まれ変わる為の手法の一つとして、
選択肢に挙がり得るんじゃないかっていう事を申し上げてます。

マエダ:分かりました。有難うございます。

川村:
ほかにいかがでしょうか。それではもう一点私のほうから恐縮ですけれども、
先ほど原子力規制委員長の田中委員長との、まぁ今後の対応について、
お話を一緒に二人でするような事を考えておられるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

泉田知事:
うーん、あの、田中委員長が会ってくれないわけです。
で、なんで会ってくれないのかっていうと、実は質問を出してまして、
今回の規制基準ていうのは、福島の検証と総括してないんです。
だから、2号機がなんで格納容器破壊に至ったのかっていうのも説明出来ないでしょう。
それから、1号機も何故24時間で爆発しないといけなかったのかっていう事も説明出来ない。
で、事故率もですね、メルトダウンが1万年に一回
それから大量放射能放出が10万年に一回とかって、計算してるらしいんですけども、
そもそも検証しないで、なんでそんなもんが計算出来るんですかと。
で、一番聞きたいのはですね、住民の命を守るという運用をする気があるか
いうとこ聞きたいんです。
先ほど見て頂いた通り、原子力規制委員会は、勧告権を持つ原子力利用の安全確保を
任務としてるわけです。
なのに、これは基準対象外っていう形で取り合わないのかと。
その辺の基本的な考え方をお聞きをしたいっていって質問投げてます。
答えらんないから会ってくんないんじゃないかっていう疑いを持たざるを得ないと。
記者さんたちは、私と違って会えますんで、田中委員長に、是非聞いてみて頂きたいんですよ。
何故ね、住民の安全を確保するっていう形で、原子力規制委員会、前に出ようとしないのか。
とにかく私は会ってその基本的な考え方、運営の方針、是非お聞きをしたいというふうに思っています。

川村:分かりました。えー、はい、どうぞ。

ワカバヤシ:
河北新報、ワカバヤシと申します。
ちょっと今のに関連しまして、今日ですね、福島県の佐藤雄平知事と田中委員長、
会談したわけなんですけれども、それで今日どこかでお答えになられているかと思いますが、
泉田知事の面会には応じず、今日福島の知事と会ったっていう事に対する受け止め
お聞かせ頂きたいんですが。

泉田知事:
実は、茨城県の橋本知事にも会ってるんですよね。
福島県でいうと、副知事にももう会ってるんです。
したがってですね、会わない理由って一体何だろうなぁっと考えると、
今ほど申し上げた通り、質問投げてますから、答えらんないんで、
会わないのかなぁっていうふうに感想を持たざるを得ないっていうのが今のところ、現状ですよね。
宜しいでしょうか。

川村:えー、その、あっ、どうぞ。

ヒジカタ:
再度、すみません、個人のヒジカタですけども、国会事故調なくなっちゃったわけですが、
あの委員がもう一度検証したいというお話があるわけですよね。
結局、取り合わないで終わっちゃうんだろうと思うんですが、
なんか、サポートするアレはありませんか。
その知事の立場として、本当に検証するなら、やっぱり国会事故調で、一応そのね、
超党派でやれる場ってのは、そこしかないじゃないですか、っていうような事はありませんか。

泉田知事:
はい。
実はですね、新潟県にも技術委員会ってありまして、ここでですね、検証お願いをしています。
ここは、こっから先は多分、世論の力が大きくなるかどうかっていう事なんでしょうけど、
疑問点ていうのが出て来てるわけです。
例えば、規制委員会にぶつけてるのは、泉田新潟県知事という名前では出してますが、
私が全部考えてるわけじゃなくって、県の技術委員会の先生方が、
これとこれとこれ変だよねっていうところを纏めて、
私の名前で出してるだけという事なもんですから、それちゃんとやろうよと。
せめて日本は文明国として、自分が起こした事故については、
こういう原因で事故が起きたけど、こういう対策を取ったんで、同じ過ちは繰り返しませんと。
説明出来るぐらいやりましょうよと、いう事になればですね、
技術委員会から要請を掛けて、出席せざるを得なくなるという事ではないかと思っています。
で、新潟県だけでやってるのは拙いっていうふうに規制委員会が考えてくれれば、
本来、規制委員会がやれば良いんですよね、総括、検証の続きと。
そして、これは次の世代に渡すというか、世代まで行くかどうか分からないんですけども、
世界で450基を超える原発が動いてるわけですから、
同じような事にならないように、これはもう教訓としてですね、
世界に還元するっていう事、私必要だと思います。
それ、やるべきだと思っています。
因みにですね、1万年に一回メルトダウンっていう計算すると、
100基原発があれば、100年に一回事故が起きるって事なんですよ。
でも、400基以上あるでしょ。
という事は、25年に一回起きるって事になるんですよね。
それって冷静に考えると、スリーマイルがあって、チェルノブイリがあって、福島があってって、
なんかちょうど良い間隔で起きてるよねっていうぐらい起きてるわけです。
で、その度にこの地球環境を汚してきてるわけですよ。
60年代の核実験をやって、放射能を撒き散らし
やっぱり拙いよねという事になって、
で、また今度はチェルノブイリで放射能を撒き散らし
で、チェルノブイリで放射能を撒き散らしたあとは、これは世界が変わったと思ってます。
皆さんご存じの通り、ヨーロッパの戦略核削減交渉が起きたのは、
ゴルバチョフ当時書記長が、このチェルノブイリ原発の事故収束に、物凄く多額のお金が掛かると。
こんなもんで核戦争をやったら、人類全体が破産してしまうぐらいの感覚に囚われて、
だから、核兵器を削減するっていう事をやらないといかんと。
チェルノブイリの教訓が、欧州戦略核兵器削減交渉に結びついたと、
いう事になってるわけですから、やっぱりですね、もう一回事故が起きたら、
どれだけのダメージを地球環境と人類に与えるのかと考えれば、
この福島の事故で放射能を撒き散らして、世界にご迷惑を掛けた日本は、
少なくても教訓を残すという事をやるべきである。
これは是非、世論として盛り上がって欲しいなと期待をしています。

ヒジカタ:
メルトダウンじゃ、メルトスルーでやるから汚染水が危ないんちゃうの。
メルトダウンって言葉で抑えてるって事もおかしいんだ、大体。

泉田知事:まぁ、そういう可能性もありますね。はい。

川村:はい、どうぞ。

キタジマ:
福井新聞のキタジマと申します。どうも。
立地自治体を抱えるマスメディアとしてですね、非常に知事の切実といいますか、
あのー、リアリティのあるお言葉を色々お聞きしました。
非常にあの、そこについては、共感するんですけれども、
やっぱりこの福井県のですね、国に対して、また規制委員会に対して、
色々クレームを付けるようにしてですね、要請なり、苦言を呈すなり、提言をしてるんですが、
それできちっと答えて来ない。
つまり、どこに誰が責任を持って、何をやるのか、そういった方法論がですね、
しっかり、こう出て来てないわけですね。
で、そういう中で、3.11の事故の収束が出来てない。
そして、色んな問題がまた噴き出している。
そこの、これからのその安全に対するストーリーがまだ出来ていない中で、
福井県なら福井県、また新潟県なら新潟県が一つ一つの原発についてですね、
リアリティを持って色んな事をやっておられる。
そういった事は、いわゆる推進とかですね、反対を越えて、
一番必要な立地自治体の役割であるというふうに考えます。
そういった中でですね、今はっきりその自治体の問いに対して答えられない規制委、
または国がある限りはですね、また電力会社が頼りない限りは、再稼働、
全体の話でアレですけども、再稼働はすべき状況にないというふうにお考えになるのかどうかと。

もう一点だけ聞かせて下さい。
今マスメディアがですね、今、日本記者クラブ、個人の会員も沢山おられますけども、
どう見てもですね、二項対立に陥っている、特に大手紙、またブロック紙があるように見受けられます。
その中に、狭間にあってですね、地方紙っていうのは、
意外とその先ほどから言ってるリアリティを持ってですね、取り組んでいる、
そこには二項対立は全くない、賛成でも推進でもない、あ、反対でもないような状況の中でですね、
現実に向き合ってるわけなんですね。
これに対して、知事の目線から見た場合に、日本のマスメディアをどのように捉えておられるか。
これを率直な考えをお聞きしたいと思います。

泉田知事:
まず一つ目の質問ですけども、今やらないといけないのは、
やはり、例えば私よく例に出すのが、最先端の技術を用いて複雑な組織の中で、
多くの人数が関わる現代の技術って何っていうと、原発もそうなんですが、
同時に宇宙開発もありますよね。
で、宇宙開発を進める時にどう進めていったのかと。
で、アメリカのスペースシャトル計画が一番分かり易いと思うんですが、大きな事故がありました。
チャレンジャーの爆発事故。
コロンビアの空中分解事故。
この時は、原因を明らかにして対策を取って、そして社会としてコンセンサスを作って、
前に進むっていう事をやったわけですよね。
チャレンジャー号でいえば、気温が氷点下になったにも拘わらず、
警告が出ていたにも拘わらず、Oリングに問題を抱えながら飛ばしちゃったと。
結果としてガスが漏れて、そこに引火してですね、メインタンク爆発さしたと。
だから、気温が上がってからやりましょうねとか、
それから、組織でも伝達が上手くいくようにって、NASAの長官も替えた上で組織を変えてですね、
で、社会の合意で我々は前に進むと、大統領が宣言して行ったわけです。
ちゃんと原因と対策と社会コンセンサス、これ綺麗に踏んで次行ったわけですよ。
じゃあ、コロンビアの場合どうだったかというとですね、これも同じでして、
断熱材が剥げ落ちて、羽に当たって穴が空きましたと。
あんな軽いもんで壊れるのかって、みんな言ってたのを彼らは実証実験までやってるわけです。
700kmで羽に当たったっていうんで、実際に700kmで真空に近いところで断熱材、
発泡スチロールみたいなのぶっつけたら、50cmくらいの穴が空いてですね、
ここからイオン化した空気が入って、熱で壊れて分解しましたという事を国民に見せたわけです。
だから、同じ事が起きないように、カメラでチェックをし、
更に耐熱タイルが剥げたところがないかっていうのを宇宙ステーションで裏側までチェックしてですね、
同じ事故を起こさないようにするという対策を取って、
それでも前に進みますかというコンセンサスを作った上で、了解して次のステップ行ったわけです。
ただ、リスクを避ける為にスペースシャトル計画はこれぐらいで打ち止めと
いう事にしたんだという事だと思います。

日本はですね、敗戦の時もそうでしたけど、一億総懺悔
誰が責任取って、何が悪かったかっていうのを決めずにですね、
みんな悪かったですねって言って進もうとすると。
だから同じ事を起こすわけですよね。
それじゃあやっぱり駄目なわけで、2号機はなんで格納容器壊しちゃったんですかと。
1号機はなんで24時間で爆発しちゃったんですか。
3号機はですね、なんで、この線量が高い中で、ちょっとSR弁の問題があるんですけど、
SR弁が、つまり原子炉の減圧に失敗したんでしょうかという事を分かるようにした上で、
だから、それに対してこう対策を取りましたと、
皆さんどうしますかっていう問い掛けがあって、
初めて次にどうするか決められるんじゃないでしょうか。
だから、そういう意味で、検証とですね、総括社会的コンセンサスどう作るかという中で
議論すべき問題というふうに思っています。

で、これマスメディアの問題について、ここで喋って良いのか、若干あるんですが、
私実はですね、地震の直後からCNN、BBCは見てました
皆さん方もお感じになってると思いますけど、凄く落差あったわけですよね。
でも、もうここまで来て二年経ったんですから、もう一回ね、
一億総懺悔みたいな事じゃなくて、何が問題だったのかと。
東電は何故二カ月もメルトダウン、メルトスルーね、隠し続けたんだと、
いう事を明らかにして、それに対してこういう対策を取りましたと
いう事も調査報道もしてっても良いんじゃないですかねぇ。

とにかく今ですね、私感じるのはですね、一番まぁ大変なのは、普通の政策だと論点を挙げると
その論点についてどうかっていう政策議論になるんですけど、
何故かこの原発だけはですね、「泉田知事が怒った」とかですね、そういう話ばっかりで、
じゃあ何に対して心配してるんですかっていう事が伝わらないという状況になっているというんで、
不思議だなぁという感覚を持ちながら見ています。

川村:じゃあ、最後の一問にしたいと思います。一番後ろの方どうぞ。

アベ:
経済ジャーナリストのアベと申します。
僕は経済部でずっと取材して来ましてですね、僕は柏崎原発のですね、
このままずっとですね、あのー、稼働しないというのは、非常に日本の経済においてですね、
勿体ないと思うんですよね。
福島は確かに今問題で動かせませんけども、柏崎は僕自身は早くやって、電力代も安くしたいですねぇ。
色々な産業用の電力だって安くなるべきだと思うんで。
で、質問です。
知事の在任中は、絶対じゃあ柏崎刈羽は動かさないという事で良いんですか、それは。
それを答えて下さい。

泉田知事:
はい。今ほどご説明をした通りなんですけども、やはり、これだけの大きな事故を経験をし、
そして、柏崎刈羽の今のオペレーターは、東京電力。
事故当事者という事になっています。
一億総懺悔、みんな悪かったよねという事で、果たして世界に対して教訓が発信出来るのかどうかと、
いう事を考えると、やはりこれは福島の原発事故のですね、
これは検証と、そして総括をした上で、対策を講じ、そしてどうするかって議論する順番、
これが必要だというふうに考えています。

アベ:在任中は動かさないっていう事ですね。

泉田知事:今ほど申し上げた通りです。

川村:
時間も過ぎていますので、これで今日の泉田知事の会見と質疑応答を終わらせて頂きますが、
今日、泉田知事が当記者クラブに記帳された言葉は「感謝」という意味です。
で、この言葉の書かれた意味を泉田知事に最後にお伺いをして、
次の会見にまた来て頂きたいと思います。どうぞ、泉田知事。

泉田知事:
本当に大勢の皆さんのお陰を持ちまして、私も今の仕事をさして頂いてます。
一般人で居る時と、知事で居る時と接する情報、少し違うところがあるのかもしれません。
でもですね、仕事をさして頂いてる以上、自分のミッションという事はですね、
しっかり達成をしていきたいというふうに思っています。
そして、今のような仕事をさして頂いている皆さま方全ての人に
感謝の気持ちを持って仕事をしたいと思いますし、
それから、今日ほんとにこの遅い時間なんですが、大勢の人にお集まりを頂けました。
私の話を聴いて頂いたという事にもですね、深い感謝の念を表明をしたいという気持ちでですね、
これ「感謝」と書かして頂きました。

私よく言われるのはですね、「泉田さんの言う事は二年経つと分かる」
言われる事よくあるんですけども、
自分の保身と、それから良心に反する事、どうするのかと。
これ比べた時にですね、やっぱり保身優先するっていうのはやめようよなぁっていう事を誓ってですね、
知事選に立候補した事を思い出しています。
その時に支えてくれたほんと大勢の人の顔も浮かぶんですが、
本人にとってはデメリットかもしれませんけど、その感謝の気持ちを忘れずにですね、
自分の任務、これはですね、しっかりとやっていきたいなというつもりで書かして頂きました。
以上です。

川村:どうも本日は有難うございました。

泉田知事:どうも有難うございました。




以上です。


2013-12-09

2013.11.30(土)報道特集『覆面官僚が語る 原発の真実と秘密保護法案の実像』


11/30(土)報道特集、「秘密保護・法案成立なら社会は?原発情報どこまで秘匿?現役官僚語る
動画はこちらへ、または全容はこちらへ (聞き間違い等ご指摘ください)

金平茂紀:
特集です。
特定秘密保護法案が今週、衆議院で強行採決によって通過するという大きな節目を迎えています。
法案が成立したら、私たちの生活はどうなっていくのでしょうか。
この法案について、霞が関の省庁に現在も勤務しているキャリア官僚の覆面作家が
報道特集の取材に応じました。


ナレーター:
その人物は、周囲を警戒しながら部屋に入って来た。
顔の撮影は許されない。
撮影出来るのは、足下や上半身の一部。
彼が所属する組織を的の回しているからだ。


金平:身の危険感じる事ありますか。

若杉 洌:勿論あります。

金平:具体的には。

若杉:
外出する時に尾行されてるんじゃないかとか。
自分の周りの職員に探りが入ってるんじゃないかとか。


ナレーター:
こう答えるのは、若杉洌氏。架空の名前だ。
東大法学部卒で霞が関の省庁に勤務するキャリア官僚。
これ以外のプロフィールは一切明らかにしていない。
霞が関で大きな波紋を広げているのは、若杉氏の著書『原発ホワイトアウト』だ。
原発を巡る政治家と官僚。
そして、電力業界との癒着の構造をリアルに描き、僅か二カ月で13万部の売上を記録した。
あまりに具体的な描写の為、霞が関では犯人捜しが始まっているという。


金平:
大変まぁ、売れ行きなんですけど、そもそも若杉さんは、
この本を何故書こうっていうふうに思ったんですか。

若杉:
原発事故以降、まだ福島の事故の原因も分かってなければ
避難されてる方もまだまだいらっしゃると。
そういう状況の中で、どうもこう自民党政権になって、着々と原発を動かしていこうと、
そういうふうに政治も思っている。
役人も思っている。
電力会社も思っているという事で、ほんとにこう国民の総意っていうのは脱原発、多分ね。
そういうのに拘わらず、そういう民意と離れて着々と進める動きがあるという事を
それだけ国民の皆さんに、お伝えしたかったという事なんです。

金平:若杉さんは、実際に今、官僚組織の…

若杉:の中に、はい。

金平:いらっしゃるわけですね。

若杉:はい。

金平:
その立場から見て、今のその、どうも方向がどうなってしまってるんだというような
強い疑問をお持ちだと。

若杉:
国民の皆さん方から全く見えないところで、密かに原発を推進する為の、
さまざまな手段を講じようとしているという事は、やはりこれは情報ってのは、これ
元々我々国民の税金で働いてて、情報は国民の為のものですから、
これはきちんとお伝えすると。


ナレーター:
国の重要な政策が国民に知らされないまま進められる事があってはならないと
情報公開の必要性を訴える若杉氏。
現役官僚の目から見て、今回の秘密保護法案の条文はどう見えているのか。
国民の懸念を払拭する為として、法案には知る権利が明記されているが。


金平:
国民の知る権利の保障に資する報道、または取材の自由に十分に配慮しなければならないみたいな。
こういうものはその、若杉さんの立場から見られると、どういうふうにお感じになりますか。

若杉:
まぁ、申し上げ難いですけど、はっきり言って、配慮してるとか、そんな法的なね、
拘束力はなくて、あってもなくても法律的には同じだと思いますね。
マスコミが五月蠅いから、とりあえず意味はないけど書いとくかっちゅうようなもんだと思いますね。

金平:いわばその、官僚の立場から見ると意味ないですか。

若杉:意味ないです。


ナレーター:
知る権利は、努力目標で拘束力を持たない。
官僚の思考パターンを知り尽くした若杉氏は、条文の裏側に込められた官僚たちの考えを
こう分析した。
その秘密保護法案は、今週大きな節目を迎えた。
衆議院での採決だ。
与党とみんなの党、日本維新の会が纏めた修正案の審議は、僅か二時間。


─2013.11.26 衆議院 国家安全保障特別委員会

議長:採決を致します。起立多数、可決致しました。


金平:
採決が行われて可決された模様です。
今回の、この委員会採決というのは、国民の声を反映した採決の結果になってると思われますか。

町村信孝:
もう42時間、NSC法案の倍もね、議論してますよ。
しかもね、12項目も修正をしてますよ。
極めてフレキシブルに政府与党で対応した、もう十分な結果であるというふうに思ってます。

金平:私が聞いてんのは、国民の声が反映された採決だと思いますかって事を聞いてるんですが。

町村:はい、はい、そうです。



井出庸生:やりましたねぇ。


ナレーター:採決の様子をある決意を持って見守っていたのが、みんなの党の井出庸生衆議院議員だ。


井出:いよいよですなあ。


ナレーター:
法案に賛成するという党の方針に反し、本会議の採決で反対すると決めた
自分が実務を担当した修正協議の頭越しに、合意の流れが出来てしまったからだ。
採決当日の朝、支持者向けに、その決意を綴った文章も用意した。


井出:
信念を貫けっていう意見が多いですけど、あのー、なんか最近察したのか、
早まるなっていう意見もなんか昨日あたり入ってました。


ナレーター:秘密保護法案のどこが問題なのか、本会議採決の前に聞いた。


井出:
修正の結果にも不満を持っておりますし、あとは、もっと広い目、大きな意味で国民の皆さんが
不安に思っている、その秘密が闇雲に増えるんじゃないかと、
この法律が、まぁ乱用されて、なんかおかしな事になるんじゃないかと、
そういったその疑問、可能性をですね、排除するとこ迄行ってませんので。


ナレーター:
その四時間後に行われた本会議での採決。
みんなの党では、井出氏のほか一人が反対、一人が棄権したが、
法案は、衆議院で可決された。


金平:大臣、審議は尽くされたと思いますか。

森まさこ:はい。

金平:あのー、稀代の悪報が通ったというような事を仰ってる方も居ますが。


ナレーター:
法案の衆議院通過の前日、地方公聴会が一度だけ福島市で開かれた。
法案に対し意見を述べた七人全員が慎重、反対姿勢を示した。


名嘉幸照(東北エンタープライズ会長):
振り返ってみますと、この原子力発電所というのは、安全というのを、
ついてコメントするのは、非常にタブー視されたわけです。


ナレーター:
名嘉幸照さん、沖縄出身で、アメリカのGeneral Electric社に就職。
各種の原発プラントの設計、保守、点検に携わってきた。
1980年に東京電力の協力会社、東北エンタープライズを創業し、
福島第一、第二に原発の稼働に深く関わっている。


名嘉:これがあの、俺がGE居た時の教科書なんだよ。


ナレーター:
名嘉さんが見せてくれたのは、1960年代後半、アメリカで原子炉のオペレーターの資格を
取得した際に使っていたものだ。


名嘉:
いや、この辺りは(特定秘密に)あたらない。ただの技術だから。
問題は、こういうのを分かってる人が現場に行けば、否応なしにも原子炉の安全について分かるわけ。
どこまでその漏洩機密法にあたるのか、その住み分けが分かんないわけ。


ナレーター:
この法案では、原発に関する情報は、どこまで秘密に指定されるのか
礒崎ソウル補佐官は、こう断言していた。


磯崎陽輔:民間の電力会社の話ですからね、そういうものは秘密になるという事はありません

金平:原発情報は、こういう特別秘密にあたらないっていうのは断言出来るんですか。

礒崎:出来ます。それはもう絶対出来ます。


ナレーター:しかし…


─2013.11.8 衆議院 国家安全保障特別委員会

森まさこ:
テロリズムの防止の為に、警察等の警備をすると。
それについては、別表にあたる場合には、特定秘密に指定されると。


ナレーター:
テロ対策としての警備情報は秘密に該当するという。
原発に関する情報も解釈次第で無限に秘密とされる恐れはないのか。
福島第一、第二原発に、およそ40年に渡り技術者として携わってきた名嘉さんは、
原発作業員が萎縮してしまうのではないかと懸念する。


名嘉:
告発しようかと思っても、今度告発したら、自分が10年の刑になるという事を考えたら、
電力会社の社員だってビビッちゃう。
我々だってビビッちゃうで。
それが怖いわけ。


ナレーター:警戒区域の再編で、日中は立ち入りが出来るようになった自宅を案内して貰った。

ナレーター:
名嘉さんは、過去内部告発によって、東電によるデータ改ざんなどが明るみになった事実を上げ、
現場への影響を危惧する。


名嘉:
原発で働く人には、どの程度が処罰の対象になるか、ならないかという住み分けが出来ないんですよ。
ただ漠然として。
電力会社の社員も含めて、我々労働者が内部告発を出来ないような環境だったら
原子力の安全は保たれません


ナレーター:
市民の立場で原発の安全性をチェックしてきた人たちからも懸念の声が上がっている。
およそ30年前から原発の核燃料輸送などを監視し続けている原子力資料情報室だ。


判 英幸(原子力資料情報室 共同代表):渋谷通過19時14分、あれが、そのそこで…

金平:一番混む時じゃないですか。そこで渋谷通ってるんですか。

判:そこで渋谷通ってますね。

金平:これですね。


ナレーター:
原子力資料情報室、共同代表の伴英幸さん。
2008年、茨城県東海村から福井県にある高速増殖炉もんじゅへ核燃料が運ばれて行く際、
状況を監視していた。


伴:
まぁ安全な輸送が出来ているかどうか
それから、ガイドラインに従って輸送されてるかどうか、こういうのをチェックする為に。


ナレーター:
これは核燃料が高速増殖炉もんじゅへ運ばれる様子をドイツの公共放送が撮影したものだ。
核燃料を積んだトラックが一般車両に混じって、都心の高速道路を走る様子が映されている。

輸送ルートは、非公開となっているが、判さんら市民の監視活動によって
ルートを把握、撮影出来たという。


金平:
特定秘密保護法案がもし法制化された場合ですね、
判さんたちの立場から見ると、今までやってたような、こういう搬送ルートに関する情報収集とか、
或いは情報の公開ですね、当局による、これどういうふうになるというふうに思われますか。

判:
殆どの場合、知る事が出来なくなっちゃいますよね。
今後は多分、これはもう排除されるか、拘束されるかどっちかでしょうね。


ナレーター:
伴さんらが監視を続けるのは、安全な輸送の為には、第三者の目が必要だと考えるからだ。
輸送の際、一般車両が気付かずに割り込んでくるなど、事故の危険性もある。
伴さんらは、実際に見た状況を元に国土交通省に指導を求めたり、
自治体に事故対策を取るよう呼び掛けたりしている。
しかし、秘密保護法案が成立すると、テロ対策として輸送情報全てが秘密になる可能性がある。


金平:
仮に搬送中に、過酷事故っていうか、重大な事故が起きるとするでしょ。
そうすると、運んでる事自体が秘密ですから、どういうルートでっていうのも秘密ですから、
住民がもし避難しなきゃならなくなったとして、どうなるんですか。

判:
この間の議論を見てても、要するに知る人が多くなれば漏れる事の確立も高くなるからっていって、
なるべく教えない事にしてますよね。
そうすると、地元の消防に連絡がまず来なくなるんじゃないかと。
事故時に実際対応出来るのかというと、出来なくなるという自体になると思いますよね。


ナレーター:
情報が秘密のベールに覆われた時、どんな自体が予想されるのか。
実は、福島第一原発の事故直後、政府の情報収集衛星が上空からの画像を撮影していた。

しかし、それは国家秘密とされ、東京電力には提供されなかった
代わりに政府が東電に渡したのは、アメリカなどの商業衛星が撮影した画像55枚

およそ4,800万円掛けて購入したという。
政府の衛生が取った画像を提供しなかったのは、「安全保障上、日本の能力が知られてしまう
という理由からだった。


金平:
まさに、こう人命に関わる時期だった時に、なんでその政府はその情報収集衛星によって
得た写真を東電に渡さなかったんでしょうね。

判:
テロ対策的なところでいえば、国家安全ていうのを優先したみたいな考え方になっていくんだろうし。

金平:いや、そうすると政府っていうのは、国民の生命の安全を図るよりも…

伴:全くそこはするね。

金平:
国家の安全ていう、その凄い抽象的なものを守る為には、
つまり国民犠牲にしても良いって事なんすかね。

伴:その体質が出ていると思うし、益々それが強くなっていくように感じてますよね。


ナレーター:
現役のキャリア官僚で、覆面作家の若杉冽氏、秘密保護法案が成立したら、
霞が関の現場では、何が起きるのかを予言した。


若杉:
ある政策を作る時に、その政策を作る為の事実は秘密だったとしても、
組織の中で、それは色んな人に共有されると、結局物事を
政策を多面的にチェックする事も出来ると。
ところが、この法律が出来ると、「これが特定秘密です」っていう事は、
それぞれの公務員が判断するんじゃなくて、
大臣が「これが秘密だ」と言った方のもう指定しちゃうわけですね。

金平:(上から)降ってくるわけですね。

若杉:
降ってくるわけ。
で、そうなると、前任者にも相談出来なければ、先輩にも相談出来ない。
情報は、組織の中に流通しなければ、それに関わる政策を
多面的にチェックする事なんて不可能ですよ。


ナレーター:
秘密保護法案が成立すれば、さまざまな角度から政策を検討する事は不可能になると
若杉氏は懸念する。
では、何故このような法案が作られたのか。
若杉氏は、秘密保護法案の作成には、キャリア官僚特有の意識が
働いていたのではと推測している。


若杉:
そういう人たちの光景にあるのは、やっぱりこう歪んだ選民意識みたいな
僕はあると思いますね。
要はその、「国民はバカなんだから、もう知らせたら、えらい事になるぞ」と、
「情報を俺たちだけで、ちゃんと握っておかないと、あんなバカなヤツらが知ったら、
大変大騒ぎして、大変になる事になる」って、そういう発想じゃないですかね。
そりゃね、居るんですよ、一割ぐらいは、そういう人は。
残りの八割ぐらいは、まぁなんかこう、どっちつかずで、
また一割ぐらい、国民は、「僕らが知った情報は国民の情報だ」と、
だからお返しするのが当然だと思ってる人は、まぁ一割ぐらいでしょうかね。

日下部正樹:
秘密保護法案についてはね、一体誰の為に、なんでそんなに急いで成立目指すんだという
議論もあると思うんですけれども、それの答えとしては、アメリカからの要請であるとか、
官僚たちの強い後押しがあるからだというものがありますよね。
まっ、そうした中だけに、現役キャリアであるね、若杉さんの発言というのは、
非常に興味深く聞きましたけどね。

金平:
このね、『原発ホワイトアウト』を書いた、その若杉さん実際にね、会ってみて、
ああ、こういうキャリア官僚、まぁ、まともというか、
そういう人も居るんだろうなあっていうのが、本当正直驚いたってのが感想なんですけどもねぇ。
この法案を作ろうとしてるのが歪んだ選民意識を持った一部の官僚じゃないかっていう
指摘は非常に強烈だったですね。
言葉を直接引用すると、
「要は国民はバカなんだから、情報を知らしたらえらい事になるぞ。
情報は俺らだけでちゃんと握っておかないと」ちゅうような発言てのは、
これかなり本音を言い当ててるような気がするんですね。
公僕っていうと、もうなんか死語みたいになってますけど、
公務員っていうのは、国民全体の奉仕者だっていう事を改めて考えさせられました。


※以下は拉致問題

岡村仁美:
さて、この特定秘密保護法案は、幅広い範囲で知る権利の侵害が懸念されています。
自民党のホームページの中では、法案が漏洩を禁じる特定秘密として、
北朝鮮による核、ミサイル、拉致問題に関するやり取りも挙げられています。
拉致問題の関係者は、これをどう捉えているのでしょうか。


ナレーター:
先週金曜日の参議院本会議、民主党の有田芳生議員が特定秘密保護法案について質した。


─2013.11.22 参議院本会議

有田芳生:
北朝鮮による拉致問題に関するやり取りは、特定秘密の対象になるのでしょうか。

森まさ子:
これに関する特定秘密の指定については、対象となる情報について、
個別具体的な状況に即して判断する必要があり、一概にお答えする事は困難です。


ナレーター:森大臣は、肯定も否定もしなかった。


有田:
拉致被害者家族、特定失踪者家族も含めてですけども、
その方々がやはり今でも情報が与えられないのに、もっと私たちに情報が
寄せられなくなるんではないかという強い不安と危惧を持ってるんですよね。
特定秘密にあたるかどうかという事を明らかにしないっていう事で、
まぁほんとにあのー、秘密のまま何が何だか分かんないままに進んでいくという事に
なってしまってんじゃないでしょうかねぇ。


ナレーター:
政府がはっきりしない答弁をする一方で、自民党のホームページには、
法案が漏洩を禁ずる特定秘密の対象として、拉致問題に関するやり取りが例示されている。
こうした状況に懸念を抱く人が居る。


陶久敏郎:
拉致問題が特定粗密の秘密指定されて、外堀も内堀も埋められるようになったらね、
本当に国民が知るべき情報というのがきちんと出て来るんかと。


ナレーター:
拉致問題に取り組む民間団体、救う会徳島の陶久敏郎会長だ。
政府が推し進める拉致問題の政策をチェックする為、情報公開請求を行ってきた。
特定秘密保護法案に懸念を抱くのには理由がある。
現在、日本政府は横田めぐみさんら17人を拉致被害者と認定しているが、
これ以外にも拉致された可能性が排除出来ない30数人について、北朝鮮に対し、
情報提供を繰り返し要求している事をホームページなどで明らかにしている。


陶久敏郎:
この30数名の具体的情報が明らかになりますと、
政府認定はどうなるという事に直結しますし、拉致問題の完全解決という事から考えますと、
非常に重い数字だなあと。


ナレーター:
一昨年7月、陶久氏は30数人の氏名や住所など具体的な情報を明らかにするよう、
外務省と警察庁、拉致問題対策本部に情報公開請求を行った。
しかし、警察庁と拉致問題対策本部は、文書を保有していないとして不開示とした。
文書があるという外務省も不開示。
「拉致問題は、我が国と北朝鮮との間で現在も進行中の問題であり、
北朝鮮側との間でやり取りしている具体的情報を公にする事により、
北朝鮮との信頼関係が損なわれる恐れがある為、不開示としました」

異議申立も棄却されてしまった陶久氏だが、今年8月、この30数人について、
都道府県別、男女別の人数を公開するよう再び外務省に対して、情報公開請求を行った。
警察庁が去年、拉致の可能性が排除出来ない失踪者860人余りの都道府県別データーを
公開した事から同じように公開される可能性があると考えたのだ。
しかし、これも不開示とされ、現在異議申立をしている。

陶久:
そんなにね、外務省が頑なに情報公開を拒むようなね、内容ではないんではないかと、
外務省が北朝鮮を盾にして、まぁ自分たちの秘密を守りたいんではないかと、
いうふうに勘ぐってしまうんですけどね。


ナレーター:
実は、この30数人は半ば明らかになっている。
拉致問題の調査をしている民間団体、特定失踪者問題調査会は、
拉致の可能性が濃厚と判断した人を特別なリストにして発表してきた。
こうした中、2006年1月、外務省の佐々江アジア大洋州局長は、
当時そのリストにあった30数人について、北朝鮮側に情報提供を求めている事を
国会審議の場で明らかにした。
つまり、30数人の情報は国会で明らかにされているにも拘わらず、
北朝鮮との信頼関係を理由に、公開されていないのだ。
陶久氏は、特定秘密保護法案の必要性は理解出来るとしている。
その一方で、日本政府が北朝鮮の工作活動を把握していたにも拘わらず
国民に知らせなかった事が多くの拉致事件に繋がったと考えている。


陶久:
この拉致問題に関しては、国民の知る権利をちゃんと保障しなかった。
国民が知るべき情報をきちんと伝えなかったという、この歴史的な責任といいますかねぇ、
そういうふうなもんの上に立って、この拉致問題を考えていかなかったらね、
結局は、これからも役所が自分たちに都合の悪い情報は、
この法律の、この条文を適用して秘密にしてしまおう、出すのをやめようというふうに
なっていくんではないかと。


ナレーター:
一方、拉致問題と特定秘密保護法案に関して、別の見方をする人も居る。
拉致被害者、増元るみ子さんの弟、照明氏だ。


増元照明氏:
絶対的に必要な法案だと思ってます。
今後、北朝鮮の情報、それから中国、色々な国際社会の情報を集める為には、
今までもそうなんですけど、日本に入ってきた情報があまりにも漏れ過ぎるから、
重要な事は教えられないという話が出て来るんですよね。


ナレーター:
増元氏がそう話すのには、理由がある。
2004年8月11日毎日新聞は横田めぐみさんが1994年の段階で生存していた事を伝えた
蓮池薫さんの外務省への証言を元に日朝実務者協議が始まる日に書かれた、この記事。
めぐみさんが1993年に死亡したとする北朝鮮の説明を覆すものだが、
報道により北朝鮮側も知るところとなった。
日本側の追及を交わした北朝鮮は、三カ月後の実務者協議で、
報道に合わせるかのように、死亡時期を94年に訂正した。
政府関係者が情報を記者に漏らしたと疑う増元氏。
日本だけが知る切り札として、情報を北朝鮮側に突き付けられれば、
交渉を有利に運べる可能性があったと考えている。


増元氏:
あれがもしなければ、北朝鮮がどのような対応を取ったのか、
ここをこう突破口に、もっと突き進んでる事が出来たかもしれないにも拘わらず、
あの一件で、それが出来なくなった。
重要な情報を安易に流すという事が拉致被害者を救出するのに、
どれだけ阻害になるかという事も考えなかった、その流した方の責任っていうのは、
やっぱり問われなきゃいけないと思いますけどね。


ナレーター:
こう話す増元氏だが、拉致被害者に関する情報を殆ど家族に伝えない日本政府の対応には
不満を持っている。
特定秘密保護法案には賛成だが、課題は運用する側にあると話す。


増元氏:
全部が全部、国益といって隠されてしまうと、それこそ国益を損なう事が
これまでにも歴史上ありましたからね。
隠すべき事ではないものまで省益や私益を守ろうとする事だけは避けなければならない


─スタジオ
岡村:
取材した吉田ディレクターによりますと、拉致問題の家族や支援者というのは、
この法案の行方を非常に複雑な思いで見つめているという事なんですね。
例えば、横田めぐみさんの記事に関しては、増元さんは記者の取材活動そのものを
批判しているわけではなくて、政府関係者による情報の取扱に問題があったのではないかと
感じているという事です。

金平:
うーん、あの記事がね、まぁ外交上プラスに働いたか、マイナスに働いたかっていうのは、
そう簡単に僕は、判断出来るもんじゃないっていうふうに思うんですけども、
ただ、その拉致に関する情報を政府は恣意的にね、運用するって事は許されないっていう点では
関係者の方もメディアも一致してるという事は、間違いないと思うんですけどね。

(略)

岡村:
先日、この法案の自民党のプロジェクトチームの座長を務める町村さんに
お話を伺ったんですけれども、その町村さんも修正協議で盛り込まれた総理が第三者的観点から
関与するという事に関しては、全ての特定秘密を総理がチェックするのは
不可能だろうという話をしていましたねぇ。

金平:
なんかね、法律をその成立させようとしてる側もまだ統一見解が、なんか出来てないような、
生煮えの状態のような気がするんですよね。
その森担当大臣も、だからその国会答弁が二転三転したりしてますでしょ。
そういう状況の中で、法案成立を本当にこんなに急いで良いのか、
拙速じゃないのかっていう指摘っていうのは、当たってると思うんですねぇ。
今の韓国のケースなんか見るとね、あそこの情報公開法の人がその、
韓国で作られた法案をそのままコピーしたようなのが、なんで日本で通っちゃったんだ、
国会で通っちゃったんだみたいな事を言ってるっていうのは、僕は、ここは本当に立ち止まって、
この法案が本当に必要なのかどうなのかを考えるべきだというふうに思いますね。


以上です。


マスゴミこそ国民の知る権利を奪わず、世論誘導、偏向報道せずちゃんと報道せーよ(`・ω・´)

原子力資料情報室は反原発団体やけど、共同代表の伴英幸て、原発再稼働に反対したり、
一応条件付きやけど再稼働はやむを得ないとか、容認発言したりの風見鶏w
ライブラリーを見ても疑問だらけで、なんで辛淑玉が司会してんの?とか。
暮らしの中の放射能 第14回 放射能は消せるのか?での判の発言も問題になってたしな。

第16回からは、子ども相談室とかも始めてて、その回答も矛盾した発言が多々ある。
こんな暮らしの中の放射能の番組にカンパしてる反原発派て居るんか?

瓦礫受入の時も再稼働とかも、秘密保護法案もやけど
結局、純粋に危惧してる人を妨害する団体て必ず出て来るねんな。
阻止出来た可能性のある事でも、一部のアレな反対行動によって、逆効果になる。

うちは、特定秘密保護法案は手放しで大賛成やないけど、必要やとは思てる。
神本とか国会議員が色々例を挙げて、これもあてはまるか?て、
お前、それ漏らす気かよwちゅうような質問したりして、まともな反対をしてなかったり。
国会周辺でのデモも革マル派とか日教組とかww
横田基地ゲリラ事件 報道機関に犯行声明


政治家とか官僚とかによって、マスゴミや国外に情報を売るようなスパイは罰して当然。
この法案を反対してる一般人の中には、
「なんか、よく分からないけど、なんか反対…」ちゅうような人も居てたけど、
なんで並んでるか分からんけど、行列出来てるから並んでますみたいやw
秘密漏らしたら逮捕されるて、一般人が簡単に入手出来るような事が国家機密にならんやろ。
何が秘密かは秘密やから、どんな情報で逮捕されるか怖ろしいって言い分みたいやけど
一般人はともかく、反対してる著名人やマスゴミや政治家たちは
それを公開する事が国民の為なら逮捕覚悟で漏らしてみて欲しいなw
その情報が日本の平和と国民の倖せの為なら公表出来るやろ。
RTしただけで逮捕されるとか、オスプレイが飛んでたてメールしただけで逮捕されるとか
一万歩譲って逮捕されるんなら、みんなで一斉にツイして全員逮捕されまひょw
色々煽ってる人、それを鵜呑みしてる人、色んな人を客観的に見てると
現行法でも違法な事っていっぱいあるのになと思う。

まぁ、曖昧なとこもあるから、色んな可能性を想像して危惧するのは当然なんやけど、
糞マスゴミやスパイ以外の人たちの共通点は、国家秘密は守らなアカンていう事やよな。
で、民主党政権下で隠蔽してきたSPEEDIや事故の議事録も作成せえへんかったとかは
国民に開示すべきやていう事、
これは、まともな日本人なら当然と思てるはず。
増元氏の
隠すべき事ではないものまで省益や私益を守ろうとする事だけは避けなければならない
ちゅう事やな。




※以下参照

・2013.12.09 政府インターネットテレビ 安倍内閣総理大臣記者会見 文字起こし(全文)はこちら


・2013.12.05 国家安全保障に関する特別委員会  宇都隆史(自民)の質疑 文字起こしはこちら
       
    (以下のような事はないそうですwww)
あなたも罪に?秘密保護法案 知らぬ間に…の怖さ (質疑内容:11/22東京新聞朝刊について)


・西田昌司 「特定秘密保護法が委員会で可決!

参議院インターネット審議中継の国家安全保障に関する特別委員会


・おまけw 特定秘密保護法が成立-香山リカが反対派について気づいたこと